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年末年始とくべつ企画
 
オリジナル餅菓子で餅会を〜「肉まん」があるなら「肉もち」もあっていい
餅粉なんて、存在さえ知らなかったよ。


編集部の石川さんから「年始企画で古賀さんに贈るので、オリジナルの餅菓子を作るように」という指令が下ったのは、12月上旬のことだったろうか。

しかし困った。餅に全く興味がない。「餅なんて一生食べなくても平気」とさえ思っている私に、果たしてオリジナルの餅なんて作れるんだろうか。しかも菓子ときた。ますますどうでもいい。

「餅に思い入れは一切ないけど頑張って考えます」と正直に答えると、石川さんから「オリジナルの餅ならばなんでもOKですので…」という嬉しい返事が来た。

そうかそうか。そういうことなら話は別だ。この機会に、是非とも作ってみたいものがあるのだ。

(text by 高瀬克子


タイトルが全てを語ってます

通常「まんじゅう」といえば中にはあんこが入っているものだが、中には例外もある。その代表格が肉まん、いや肉まんじゅうであろう。


冬のコンビニには欠かせない食べ物。

「まん」部分の主成分は小麦粉だ。“肉と小麦粉”の組み合わせもいいが、日本人なら肉には米とタッグを組んでもらいたいじゃないか。

そう、つまり“肉と米(=餅)”の方がしっくり来るんじゃないの? という思いから、実際に作ることにしたわけです。

白くて丸い餅を囓ったら、中から挽き肉がどっさり…。ああ、想像しただけでたまらないものがある。


「つきたて? ホントに?」と、この時点では半信半疑。 分量通りの水を入れてこねます。最初はポロポロですが、

徐々にまとまってきましたよ。 で、それを三等分にして40分蒸す…と。

ここまでは、かなり簡単だった。「つきたての餅がこんなことで出来るなら、わざわざ杵と臼で作る餅の立場は…」と思うほど楽チンな作業に、いささか拍子抜けの感は否めない。

さて40分が経った。簡易蒸し器のフタを開けてみよう。


うおー、ツヤッツヤのピッカピカ!

フタを取った瞬間、大量の湯気と共にフワ〜ッと餅の匂いが顔面を直撃した。見た目も一気にツルンとして、これは確かに正真正銘の餅だ。いやー、不思議。

作り方を見ると、さらに「すりこぎなどで、なめらかになるまでついてください」とある。…おお、なにやら本物の餅つきみたいになってきたぞ。


くっつかないように水をつけながらグニグニと。 うむ、こんなもんでしょう(6人分作るので6等分に)


というわけで、餅の部分は無事に完成した。

 

さぁ、一気に仕上げよう

ひと仕事終えた気分になってしまったが、本番はむしろここからである。とはいうものの、材料は揃っているし、既に出来たも同然といえよう。

中に詰める肉あんは、餅を蒸している間に作っておいた。甜麺醤と醤油がメインの甘じょっぱい味付けだけに、これはご飯(=餅)がすすむぞー。


ではでは、肉を包みますか。 ………と、あれ? え? なんで?

サーッと血の気が引いた。こ、これ、うまく包めない!
この企画どうすんのさ! 代替案? んなもんないよ!

餅はブニュブニュと弾力はあるのだが、思うように伸びてくれない。すぐに穴が空いたり、肉が隙間からはみ出たりと、悲惨な状態がこれでもか続く。

こ、こんなハズでは…。

 

撮影する余裕ゼロ

手が餅でベタベタになるので、包んでいるところの撮影を夫にお願いしていたのだが、結局撮れたのは上の写真一枚のみ。

というのも、ちょっとしたパニック状態に陥った私が「うわああどうしよう! 写真なんて撮ってる場合じゃない! もういいよ!」と撮影を中断させてしまったのだ。

その後、あれやこれやと工夫(手に水を多めに付けたり、餅の分量を減らしたり)を重ね、最終的にはご覧のような「肉もち」がなんとか完成した。


この状態に到達するまで、撮影のことはすっかり忘れてました。


ご覧のとおり、すっかり小ぶりだ。

つきたての餅は、くっつかないように粉を敷いたりするが、肉もちの場合は直接このまま食べるため、粉を使うことが出来ない。

そこでラップを代用したわけだが、餅の乾燥を防ぐという意味でもラップはいい仕事をしてくれたようだ。


ベタベタの手で触りまくったため、箱が餅だらけに。


思いつきを形に出来て、満足しました

食べた感想は「味の組み合わせとしてはおいしいけど、たくさん食べると喉に詰まりそうだな」であった。やっぱり一気にガフガフと食べたい時は、餅よりまんじゅうの方がいい。なんたって、餅の表面をツツーと流れるしかない肉汁も、まんじゅうなら吸ってくれる。

しかしなぁ、餅って喉に詰まるだけじゃなく、喉にくっつく場合もあるんじゃないだろうか。…と思ってしまうほど、餅があっちこっちにベタベタとくっついて、今回は本当に大変だった。

おかげで餅に対する態度も、今までの「無関心」から「ベタベタして嫌い」に変わりそうである。


古賀さん、気に入ってくれるといいなぁ(最後、とってつけたように)

 


 

 
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