デイリーポータルZロゴ
このサイトについて
東急メディアコミュニケーションズ


ロマンの木曜日
 
電車やバスでダムに行こう

渓谷美を堪能しながらダムまで歩く

次にお勧めするダムは青梅線沿線。新宿からだと立川で乗り換えて青梅へ行き、さらに奥多摩行きに乗って鳩ノ巣駅で途中下車。

この路線、走っている電車は都心で見かける中央線そのままなのに、青梅を過ぎたあたりから急に山岳路線の色合いが濃くなって、手軽に非現実感が味わえるので楽しい。線路は単線だし、駅に着いてもドアが開かず、乗り降りする人がボタンを押して開閉する仕組み。


青梅駅はややレトロ風な装飾が
普通の中央線が似合わない沿線風景

目的のダム最寄りの鳩ノ巣駅も、見た目木造で山奥のひなびた温泉宿のようなイメージ。屋根が大きく張り出した玄関は、いまにも和服姿の女将さんが出迎えてくれそうな雰囲気だった。


写真ではとても駅に見えない鳩ノ巣駅
地方の山間駅のようだけどまだ都内

駅前の坂を降り、奥多摩へと続く国道411号線を渡ってトンネル脇の旧道を歩くと、谷底を流れる多摩川へ降りる細い道が伸びている。下を覗くと、まだ細い多摩川が白い泡を立てながら岩場を流れ落ちているのが見えた。このあたりは鳩ノ巣渓谷と言って、多摩川上流部でもかなり有名な渓谷らしく、観光客も大勢いた。みんなこの先のダム観に来たのか、なんて無理に考えても、逆にそれはそれで僕がびびる。


道路を渡ってトンネル左側の道に行く
すると、すごく細い道が下に伸びる

遊歩道を延々くだって行くと
多摩川の流れが見えてきた

遊歩道を降りて行くと、目の前には多摩川を渡る吊り橋が。とは言っても作りは頑丈で、多少揺れるけど高所恐怖症でない限り怖くはない。巨大な岩がゴロゴロ転がる眼下の河原では、お弁当を食べているグループもいて楽しそう。そんな写真を撮っていたら、数十人の高齢ハイキンググループに巻き込まれてしまった。皆さん立派に山歩きの装備をしている。ここから目的のダムまで、アップダウンのある河原の細い遊歩道をおよそ500m、前後を人生の大先輩方に囲まれながらのんびり歩いて行くことになってしまった。


吊り橋だけど頑丈なので怖くない
橋の上からの景色がたぶんここのハイライト

渡った先にはおなじみダム放流注意の看板
なんて撮ってたら高齢グループに囲まれた!

途中になかなか険しい上り階段があって、高齢グループは1人ずつゆっくり登るため数分の足止め。仕方ないけど、何とか登り切って息も絶え絶えのおばあちゃんを見ていると、なんだかこっちがドキドキしてしまう。大丈夫だろうか、余計に寿命を縮めていないだろうか。


登り切った先で2人くらいぶっ倒れていたけど大丈夫だっただろうか
後ろにも同じグループの方々が続く

登り切ったところで高齢グループは休息になったため、ようやく追い抜きに成功。道も平坦からやや下りに入って少し歩くと、険しい渓谷を遮る巨大な人工物が姿を現した。ここは白丸ダムで、東京都交通局が持ち主の発電用ダムだ。


とつぜんコンクリートの柱が現れる
交通局のダムは珍しい

自治体の水道局じゃなくて交通局がダムを持っているのは全国的にもここだけではないだろうか。現在は発電した電気をすべて電力会社に売電しているらしいけど、もともとは都電や都営地下鉄の電気を直接生み出していたんじゃないかと思っている。これは想像というより希望的観測だけど。

ダムの上は遊歩道の続きになっていて自由に通ることができる。高さ30m、幅61mというのはほかのダムと比べても極端に小さいけど、狭い渓谷にあってはなかなかの迫力。特に堤体と比べて不釣り合いなほど大きな2段式ローラーゲートが目を引く。発電専用だし貯水池も小さいので、少し雨が降れば放流する機会も多いのではないだろうか。


ダムめぐりデートだろうか!?
分かりにくいけど超巨大な2段式水門を上から見ている

数字上は小さいダムだけど迫力はなかなか
下流はすぐ渓谷(左に見えるのは魚道)

下を覗いたりエメラルドグリーンの貯水池を眺めたりしながらダムの上を渡って、左岸側の階段を登ると上から全体を一望できる展望台が造られていた。そこからの眺めを堪能して、帰りは川面のはるか上を走る国道沿いを歩いて鳩ノ巣駅に戻る。こっちは平坦な道のりで楽だけど、歩道がなく景色も変化ないので楽しくないし、車通りも多いので気を遣う。


数字は小さくてもやっぱりダムって大きいんだなと再確認できる展望台

近道はこういう道なので渓谷を引き返してもいい
この中にダムも入れていただきたい(駅のホームにて)

さて、次は鳩ノ巣駅から再び電車に乗って終点奥多摩駅へ。そこからさらにバスに乗り換えて都内最大のダムに向かうのだ。


< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
©TOKYU MEDIA COMMUNICATIONS INC. All Rights Reserved.