舞がはじまる
しばらくすると太鼓の音が聞こえてきて、いよいよ神楽がはじまるようだ。 先ほどからなんどか「舞」と表現しているが、地元の人は神楽とは呼ばずに「舞」と呼ぶそうだ。 近年になって「石見神楽」という呼称が一般化したときには「俺たちやってるのって神楽なんだ」と思ったとのことで、このへんにもどれだけ「舞」がこの地域に根ざしたものかが伺える。
塩祓(しおはらい)でスタート
石見神楽の演目はいくつもあって、その都度組み替えて舞うそうだ。 ちょうどライブのセットリストみたいな感じだろうか。 その中でもいつも最初に演じられるのが塩祓という演目で、神様を招くために舞台を清めるための舞だということだ。
続いて「神迎へ」という舞がはじまった。 四人が向かい合って何かを唱えて、それからぐるぐると回りながら舞ってゆく。 記事冒頭の写真で紹介したような派手さはないが、でも舞のスピードが速く、こちらもそれにあわせて気持ちが高ぶってくる。
女性が悪魔退治
続いては「八幡」という舞だ。 石見神楽は、ぱっと見てそれが「敵か正義か」がわかるので楽しいのだが、今日の正義の味方(宇佐神宮の八幡神、八幡麻呂だそうだ)を女性が演じていた。 こういういい方をするとアレだが、若くて美人の女性である。 この女性が(いや、八幡麻呂なのだが)弓矢をもって悪魔王を退治するんだらカッコイイ。
力強いテンポで八幡麻呂が舞ったあと、舞台の後ろから煙幕があがり、花火を持った悪魔王が現れた。 ここで一斉に歓声が上がる。 僕も歓声を上げる。 だってかっこいいんだもの。
このように、ものすごくわかりやすい展開で、物語が展開するので、子供たちもよろこんでみている。