部屋は最高だ
家に帰ってきた。
こういう作業をやるのはやっぱり部屋がいちばんである。部屋がなかったら人類はここまで文化を発展させることはなかっただろう。部屋は最高だ。
部屋のいいところはもう一つあって、カーテンを閉めれば暗くできるところだ。
LEDに字を書けたらこういうことをやってみたかったのだ。
文字を書いたLEDを光らせて、壁に当てればプロジェクターみたいに文字が浮き出るのではないか。そう思ったのだ。
いろいろ角度を変えたりして試したところ、次の写真が限界。
「月にウサギがいる!」くらいのうすぼんやりで、「石川」の文字が見える。しかも鏡文字。壁に映す場合ははんこと同じだから鏡文字になるのか。
どうも思った通り、くっきりとした像が写らない。だめか。
とはいえ、今さら後には引けない状況でもある。
むしろ米粒より狭い
手当たり次第に試すうち、いい感じに投影できる方法を発見した。
さっきまで3mmのLEDを使っていたが、5mmのLEDに変えてみた。すると、なぜか横に描いたものが正面に投影されるようなのだ。
どの辺が映ってるか探るため、数字を書いてみる
2、のように見えるが鏡文字なので「5」だ
狭い。
LEDの高さが5mmだから、投影可能部分の高さ1mmくらい。文字を映すには、ここに字を書かなじゃいけないのか。もう1回書くけど、狭い。米粒より狭い。
しかし僕のチマチマ力は、すぐにその狭さを乗り越えた。
おおっ
でた。ペン先を点描みたいにしてなんとか書いた細かい数字が、放射状にギュイーンと伸びる。名前は忘れたけど時計屋によくある高くて四角い腕時計の文字盤みたいだ。
でも眼球の毛細血管の写真みたいでもある。気持ち悪いと言えば気持ち悪いかもしれない。
ああ、時計の名前を思い出した。フランク・ミュラーだ。そして比べてみるとあんまり似てない。