つきまとう肉だんごの光と影
ちゃんぽんを食べ比べるとしたら、やはり発祥とされる店は行ってみたい。「四海樓」という店がそうだ。
ものすごく立派なビルだが、ワンフロアに店があるのではなく、これ全体が「四海樓」。とても有名なお店であるようで、5階の通常レストランフロアに行くと、かなりの待ち時間と告げられた。
食べてみたいけれども、予定している行程的にちょっと難しい。このビルの前に立って振り返ると、また別の立派な建物がある。
四海樓の向かいに立つ全日空ホテルの地下にある「潤慶」というお店に行ってみた。ホテルの地下フロア に共通する、妙にしっとりとした雰囲気がのれんにも漂うこのお店。待ち時間なく入れるとのこと。
それでも、長崎ちゃんぽんの具だくさんという特徴はこれでもかと押してくる。そう思いつつ、肉だんご不在のさみしさに、ついエビの数をカウントしてしまった。
オプションなしで1200円台のこのちゃんぽん。十分おいしいので不満はないが、やはりホテル価格という感じはあるかもしれない。その分、行き届いたサービスの中で落ち着いて食べることはできた。
続いては1000円クラスのちゃんぽんを紹介しよう。
この上ちゃんぽん、実は先のページで訪れた「江山楼」のもの。価格順で紹介しているのでこのタイミングになったが、この店では特上と上とを食べたわけだ。
やはり光るのは肉だんご。特上と比べるとフカヒレと白だんごがないが、一番大事なものを残しておいてくれていると思う。
1000円付近のちゃんぽんは、このように肉だんごなどのオプション付きになっていることが多い。
店の前にあるサンプルでも、1000円付近のちゃんぽんには肉だんごがトッピングされがちなことがよくわかる。フィーチャーリング肉団子、それがひとつ上のちゃんぽんのトレンド。ときどき肉だんごの代わりにホタテなどが乗っている場合もあるので要注意 だ。
この下のゾーンが700〜800円代のちゃんぽん。ここが一般的な相場らしく、最もよく見かける。小刻みに価格が下がっていく順でサンプル版を見てみよう。
このクラスになると、肉だんごの姿は全く見当たらなくなる。さらば肉だんご。ちゃんぽん本体で勝負するといういさぎよい姿勢が、今となってはすがすがしい。どれもちゃんぽん としての基礎体力は十分で、おいしそうではないか。
店先で値段を確認すると、この価格帯のものがほとんど。どうやらここから下の価格のちゃんぽんは、だんだん探すのが難しくなってくるようだ。