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はっけんの水曜日
 
自作iPhoneアプリで楽々GPS地上絵

今度は直径6kmのZくんです

さて、最後は直径6kmのZくんだ。これまでの経験から行くと、必要な走行距離は直径の10倍であるからして60km。なかなかに大変そうだ。まず、家からスタート地点の半蔵門まで13kmあるから往復で26km。合わせると90kmくらい走らないとならない。

学生の頃はなぜか1日200kmとか走っていたが、この年になるとなかなか辛そうな距離だ。馬場さんじゃあるまいし(月曜ライターでウルトラマラソンとかする人)。自転車でも大変だ。

でもまぁ、やらないと4ページ目が書けないので頑張ってきました。



毎度お馴染み、Googleマップに適当に描いたZくんを重ねて、この線の上を移動します。ノープランで。


スタートします。真っ直ぐ西へ向かう道はありません。

スタートは半蔵門

ノープランで細かい事は決めずにやってきたGPS地上絵だが、流石に皇居や通れそうにない施設は外す形でZくんを配置した。細かい部分を決めないのは相変わらずだが、少しは学習しているのだ。

スタートはZくんから見て左目の上、半蔵門の辺り。まずはそこまで自転車を走らせる。13km走った時点でお尻が痛くなってしまったが、まだスタートもしていないのだった。

今日は大変な一日になるぞ、と思いながらスタート。まずは西、新宿を目指して目の上の部分、直線を描いていきたい。いや、まっすぐ行ける道はないんだけど。


スタート地点。今日はここを3回通りました。
東京って坂が異常に多い。

人間がすれ違うのも厳しい細い路地@四谷。

東京の道は自転車に優しくない

普段葛西とか浦安みたいな平らな街しか自転車で走ってないのだけど、東京って異常に坂が多くてかなり大変だった。ウソみたいに細い路地もあるし、GPSが無ければ絶対に迷う。

半蔵門から四谷、新宿三丁目へ進んだ。四谷は小さな飲食店が多くて細い路地もたくさんあった。新宿御苑を左に見ながら新宿三丁目に着くと、突然人混みになった。

東京では普段地下鉄で移動することが多いので、こうして道を使ってシームレスに移動すると街が切り替わる瞬間を見られて面白い。


新宿3丁目で曲がります。
墓地の向こうには六本木ヒルズ。

道路を渡れず歩道橋を越えることも。

新宿から代々木、青山、溜池山王、赤坂見附を移動。やはりそれぞれに特徴がある。どれも有名な地名だが、そこに大きな家がどーんと建っていたりする。東京のど真ん中に!いったいどういう事をしたらそんなとこに大きな家が建つのだろう。

さて、2時間ほど掛けてようやく左目が終わった。まだまだ始まったばかりなのに2時間だ。マズイ。これは終わるのはどう考えても夜だ。焦りながら先を急いだ。


歌みたいな状況の真っ赤なポルシェ。
スタート地点に戻ってきて目が一つ完了。

なんど自転車持って階段を上り下りしたか。

左目が終わったら額から頭頂部、Zマーク、さらに右目(むかって左目)。

市ヶ谷、牛込、早稲田、中野と進んだ。市ヶ谷ではお堀を渡るのにルートを外れてしまった。早稲田は学生が沢山いた。中野は住宅街で、細かく道があったので割と線に沿って移動できた。

右目では再度新宿へ。今度は西口の高層ビル群の間を走った。三丁目と比べると人が少なくて楽だったが、ルート選択は難しかった。

たまに道に迷いながら(都会ではコンパスがよく狂うんですよ)もなんとか行程を進めた。


新宿の高層ビル群。
渋谷は人混みがすごすぎてめげた。

広尾の高級ぶりには参った。
六本木ヒルズもルートにありましてねぇ。

そしてゴール。1時半からはじめて終わったのは9時。7時間半掛りました。そしてさらに13kmの帰り道・・・。

口の辺りは代官山、渋谷、表参道、広尾。なんだかお洒落な地名が次々に出てくる。渋谷と表参道は職場があったのでよく行っていたが、知らない道を走っていたら急に知っている道になってビックリした。頭に掛ってた霧がいきなり晴れるような快感。あれはなんだろう。

渋谷は本来センター街を通るルート設定になっていたが、あまりに人が多くて自転車で進むのは無理だったので少しルートを外した。相変わらず渋谷の人出は尋常じゃない。

広尾は建ってる建物が全て高級感に溢れていてたまげた。道路も含め街全体が私有地みたいになっていた(立ち入り禁止ではなかったけど)。僕が住んでる葛西とは全然雰囲気が違う。

東京って、たった6kmの円の中ですら色んな街があって面白いなぁと思った。

 

ついに東京Zくんが完成

開始から7時間半。坂道をひたすら上り下りさせられた太ももの筋肉も限界。尻の痛みもかなりのもの。お尻の両ほっぺたがヒリヒリする。お腹も空いたし、もう限界です・・・と思った頃ようやく3回目の半蔵門、ついに直径6km、行程63kmの地上絵Zくんが完成した。


結構Zくんでしょ?ノープランで出来たとは思えない出来。

 

さて、では細かい部分で反省会をしておこう。


1.額のZマーク、2.(Zくんから見て)左の額、3.右目の上、4.口。

 

1.額のZマーク


Zを大きく描く気力とルートがなかった。赤い線が理想、青が実際。

Zを描くのはなかなか難しい。本当は上の画像の赤い線みたいに描きたかったのだけど、Zの下半分の部分は斜めに通れそうになく、さらにZの上部分も早稲田大学に被ってしまって綺麗に描けそうにないので現地で断念した。

結局戸山公園とその近くの道を走って小さめのZを描くことにしたが、こうして結果を見るとあからさまに小さい。でもZには見えるのでこれはこれでいいか、という気もする。ダメ?

 

2.(Zくんから見て)左の額


3カ所でやや問題が。

お堀は流石に橋を使わないと渡れない。

まず1の部分。ここは市ヶ谷でお堀があるのだけど、橋がルートから外れていたために少し出っ張ってしまった。内側に凹ますか外に出っ張らせるか悩んだが、葛西での反省を生かして外側を選んだ。

2の部分は内側の線が不正解。ここは顔の輪郭で2回通ったが、最初に通ったときに道を間違えてしまった。お腹空いたのでおにぎりを食べながら軽快に走っていたら曲がる道が無くて真っ直ぐ行き過ぎてしまったのだ。

3の部分は線路に阻まれてルートが凹んでしまった。お堀同様簡単に越えられない。適当GPS地上絵では、こういった、期せずして現れる越えられない障害物がやっかいだ。

でもその場でルートを考えるのもゲームっぽくて楽しいと言えば楽しい。気が抜けない緊張感もある(おにぎり食べてたくらいで無くなる緊張感だけど)。


おにぎり食べてたらルートを外れてた。
線路もわたれる場所が限られているので難しい。

3.右目の上


青い線が移動した軌跡。ちょっと迷って逆に進んでいた。

道に迷ったのだ。都会では磁気の乱れがあるのか、iPhoneのコンパスが明後日の方向を指すことがある。しばらく待てば正しい方向を指すのだけど、自転車に乗って移動してるので正しい方角を指すまでのわずかな時間で進んでしまい、どこに向かっているかわからなくなってしまった。GPS使ってるのに。いや、GPSを使っているから現在地はわかるのだけど、向いてる方角がわからないと迷ったも同然なのだ。

という事でちょっと軌跡が乱れてしまった。GPSを使っていても迷うときは迷う。電子コンパスの補助用に普通のコンパスも持つべきだな、って思いました。

 

4.口


渋谷の辺りでは色々苦労した。

口の左上は渋谷で、本当に沢山の人がいて、いすぎて本来のルートを少し外した。人混みが大嫌いで、しかも自転車だったので耐えられずに違う道を進んだ。それが1の部分。

2の部分は四谷と同じく線路があって真っ直ぐ進めず少しルートを外れた。3は道を行き過ぎて、しかもNHKが邪魔で右に行ける道がなかったので引き返した。NHKの前では出待ちをしてる女の子がいて、週刊こどもニュースの出演者にサインを書いてもらったりしていた。渋谷っぽいな、って思った。

 

最後に大きさ比較

では最後に臨海公園、葛西、東京で描いた3つの地上絵の大きさを比較してみましょう。GoogleEarthで見たらなんか星の大きさ比較みたいで面白かったので。


矢印の先にあるのが臨海公園Zくん。直径200m。上のオレンジ色が直径2kmの葛西Zくん。

臨海公園Zくんが豆粒みたいな大きさに。直径で10倍の差があります。

もう砂粒みたいな臨海公園Zくん。臨海公園Zくんが地球なら葛西Zくんは木星、東京Zくんは太陽か。そんなに差無いか。

細かい部分を見ると反省点もあるけど、その場で道を決めながら自転車で走っただけにしてはまともな形になったと思う。この調子で直径50km、行程500kmのZくんとか描けたら凄いと思うけど、色々無理そうなのでこれで終わりにしたいと思います。

好きな地図を使えるGPSって面白い

こんな地図を表示させて、赤い線をなぞるように自転車で走りました。

手前味噌ばかりでなんだが、自作アプリを使ってGPS地上絵を描いてみたら思いの外面白かった。大ざっぱに決めたルートを進んでいけば描けてしまうのだ。開発して良かった。本来は登山用に作ったんだけど。

明確な道がない原っぱに描けてしまうというのも面白い。ホントに広いところがあればナスカの地上絵みたいに複雑な地上絵も描けるだろうし、物理的に線を引きながら歩けば本当に地上絵も描けてしまう。そんな場所があったら、今度はリアルな地上絵を描いてみたいなーと思いました。

DIY GPS紹介ページ
https://keijiweb.com/down/diygps/

AppStore DIY GPS(450円)
https://itunes.apple.com/jp/app/diy-gps/id393724766?mt=8
記事中で使っているコンパス機能とコンパス連動の地図回転はVer1.1.0以降で搭載されています(2010/10/05現在審査中)。


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