やっと収穫
数分後、ぼくはひとつの自動販売機に釘付けになっていた。
なるほど確かにぼんやりと明るい。 とりあえず500円玉を握り締め自動販売機に近寄ったそのとき、
自動販売機の下に動くものが。つかまえてみると、クワガタムシの(計画的な)メスだ。 やった! と思って勢い持ち帰ったのだが、
ひっくり返してみたら脚が黒かった。「K子」という名前も用意していたのに残念だ。 メインストリートには車に轢かれた甲虫の姿も多かったので、山のほうにリリースした。また飛んできてしまうかもしれないけど、明るく計画的にがんばってほしい。
いっぽう我が家の虫たちは
散歩4日目
こう言っては申し訳ないが、小物しかみつからなかった前日の散歩。今日はなんとしても大物をさがしあてたい。
ブンブンとうるさい。蛾ではない。しばらく光のまわりをグルグルしたあと、ものすごい勢いで地面に落ちた。
糸クズにまみれたカブトムシをゲット! 今回もなかなか立派なサイズだ。
20分ほど歩いて(散歩なので無理しない)この日は1匹だけだったが、カブトムシがみつかったので満足だ。
散歩5日目
そろそろアカアシクワガタのメスをみつけたい。男子学生寮のふたり部屋に6年暮らしたぼくには、ハルキと村山さんの気持ちがよくわかる。 このところ2匹の運動量がハンパないのは、性欲を素振りで解消しようとする高校球児の姿に似ている(甲子園シーズンにこんな例えですみません)。
そっか、うん。仕方ないよね、虫だから。 それにしてもヒマワリの積極的なことといったらなかった。彼女のほうからハルキにけしかけたところがある。流行りの肉食系女子だ。
ぶらさがって揺れながらキウイを吸い続ける村山さん。うん、草食系。
この男性は飽きるまで虫の交尾を眺めていたわけだが、そういえばこの夜は、もう一匹昆虫をみつけていた。
コレだ。
知らない虫はコワイ
なんだコイツ。 大きさはカブトムシ級と、けっこうでかい。頭は小さく、瞳はクリリとしている。
水生の昆虫、たとえばゲンゴロウに似ていると思ったが、ここは完全な陸である。ゲンゴロウがこんなところを歩くだろうか。 通りすがりのランニングシャツのおっさんに訊いてみたら、「それはゲンゴロウじゃねえな」と言い残して自転車をこいでいった。
あとで調べたところ、たぶんガムシ(怖い名前!)の仲間ではないかと思う。やはり水辺の昆虫だが、灯火に集まってくることもあるそうだ。
可愛かったが、得体が知れないので触れなかった。