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フェティッシュの火曜日
 
幻のラーメンを追って

なんだ!?牛汁って!

新事実の衝撃。幻のラーメンはいまやなく、代わりに幻の牛汁になっているそうだ。

幻が消えてまた幻が現れた。なんだろう、このもやもやは。赤目四十八滝の神秘、いや、ちがう、最も気になっているのは「そもそも牛汁って何!?」というはじめの一歩だ。

「牛汁っていうのはね、B級グルメです」
と、言われましても!


ふもとの食堂にもあった牛汁。観光協会主導で、一年くらい前からはじまったそうだ。

件のお店、千手茶屋のお母さんに話を聞く

幻のラーメンを押し出したB級グルメの波

「牛汁っていうのはな、しょうゆのだしな、それに牛な、このへんの伊賀牛って牛を入れてんねん。ほんでな、すいとんな、あれ入れてな、最後しょうがで味つけするんやわ。」

幻の牛汁のお店、千手茶屋のお母さんの説明によると、お肉のスープのようだ。

「もう一年になるかなあ、観光協会の方でな、やりましょう言うてこの辺みんなでやってんねん。」

なるほどそれはB級グルメだ。伊賀の町おこしのための新メニューとして牛汁というものができたようだ。


そして待ちに待った幻の牛汁がこれだ!牛汁に対しても初対面なのに、それが幻の牛汁なんだからもう、私よくわかりません!

あ、熱い!茶碗を持てないくらい熱い!

幻の味は熱い!

そしていよいよ、幻の牛汁を食す。食そう。いや、食そうと思ったけれど、何これ、お椀がめちゃくちゃ熱い!

「熱いやろ?熱ないとおいしないねん。」

なるほど、そういうものか。幻だから熱いのか。それとも牛汁はすべて熱いものなんだろうか。いや、もう何から何まではじめて尽くしでよくわからない。

一体私は今なんでこんなことになってしまっているのだろうか。

「この辺で有名な奥田いうとこのお肉つこてるからな、おいしいやろ?」なるほど、確かに肉の香りが上品だ。

うまいはうまいが、幻とは!?

牛汁の定義である伊賀牛の仕入先などの情報も頂いたりして、ようやく味わえる温度にもなってきた。

ああ、これ上品な肉吸いだ。肉うどんのうどん抜きを「肉吸い」として出す店があるが、それの伊賀牛グレードアップ版とも言えるだろう。いい肉ならではの品の良い肉の香りがする。

なかなかやさしい味、日本人なら親しみやすい味だ。誤解を恐れず言うならば、「おだしに和牛を入れてしょうがちょっと入れたもの」と聞いてあなたが想像した味、その味。それ正解。

だが多分、これは牛汁だ。説明を聞くに、これは牛汁の味なのだ。そして、私たちが探し求めている幻の味とは?


熱い!

幻の謎にせまる

「奥田さんな、牧場からやってはるから安うてええ肉出せんねんやろなあ、定食なんか1000円くらいで食べられるんよ。」

いや、肉の仕入先はいいんです、すいません、あのね、これね、これなんで『幻』ってついてるんですか!?


「幻ゆうたら想像ふくらむやんか(笑)」ドドドドドド(心の水牛の群れ)

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