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チャレンジの日曜日
 
フライトシミュレーターのショールーム見学

動かしましょうか?

「ハイお願いします!」
と僕は大変いいお返事で答えた。
ショールームを案内してくれた藤田さんが、ずらっと並んだフライトシミュレーターの一つを指さしてそういってくれたのだ。
心の中で「乗せてくれないかな、くれないかな!」と強く思っていたのが伝わってしまったようだ。


画面の基本はよく見慣れたWindowsだ。

コックピットに並んだ三つのディスプレイに写っているのは、いつも会社で使っているふつうのウインドウズだ。
フライトシミュレーターのソフトを起動させると、そこにどどんと飛行場の滑走路と、計器パネルが表示される。
「うわーい、飛行機だ」と、とても無邪気な喜びが、僕のハートの奥深くにぽっと点火した。
たぶん誰だってこれを見たら、「あ、飛行機だ」って思うに違いない。


画面が三つも並んでいて、それだけで興奮する
まずは簡単なのを、と藤田さん

藤田さんに簡単な操縦法を教えてもらって、「じゃ、工藤さんどうぞ座ってみてください」、ということなった。
えー、いいんですか、いいんですか。

飛ぶとこんな感じですよ

超むずかしい

藤田さんの解説を受けながら実際に操縦してみたのだが、これが大変おもしろくて、大変むずかしい。
最初のテストは、先行して飛んでいる飛行機の後ろを追いかけるというものだったのだが、はじまって数秒で見失ってしまった。
その後の経緯は覚えていない。
結構長い時間体験させてもらったのだが、興奮のあまり記憶がすっぽりと抜けている。
取材メモ代わりのボイスレコーダーにも「あー」とか「ひょえー」という、情けない僕の歓声しか録音されていなかった。
俺、ライターに向いていないかもな、というくらい本気で遊んでしまった。


この計器が姿勢です
よっ、テイクオフ

じわっと汗かいて取材

楽しくて興奮して、背中に汗をかいてしまった。
フーっと、油断するとため息が出てしまいそうな、あとひく体験である。
そのまま、高ぶったテンションで他のフライトシミュレーターを見学させてもらった。


これはヘリコプター

ショールームの向こう側では、エンジニアの方がなにか製作していた。
ここで製品の開発をしているのだろう。
反対側の壁には、テレビで紹介されたフライトシミュレーターの様子が貼られていた。
先ほどもかいたが「日本ビーテーエー株式会社」は加工機械のメーカーで、もとからフライトシミュレーターを作っていたわけではない。
僕はてっきり、この日案内してくれた、フライトシミュレーター部門責任者の藤田さん(部長さんです!)が飛行機マニアで、社内起業みたいな感じで作っちゃったんじゃないかとふんでいたのだけれど、「そんなことないですよ、他に作っている会社がないんで、金になるかもと思って始めたんです。ぜんぜん儲かりませんけど」という返事だった。


デイリーで見たことがあるあの監督も

うちじゃなくて、納入先を見てきてくださいよ

こちらで製作したフライトシミュレーターは、科学館などの子供向けの施設だけではなく、航空工学を研究する大学や、実際に飛行機を操縦する人のための、操縦訓練用としても活用されているというのだ。
つまり、パイロットが訓練のために使っているということだ。
フライトシミュレーターは、決してテレビゲームではないというわけである。

では実際にその現場をということで、東京は新橋にある「社団法人 日本航空機操縦士協会」を訪れた。



ごく普通のビルに訓練用フライトシミュレーターが



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