デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


はっけんの水曜日
 
ほやで塩をつくる

魔女気分でホヤウォーターを煮詰める

ほやじおの作り方は単純で、ほやの中の海水をただ煮詰めればいいらしい。

家にある一番大きな鍋に半分も溜まった搾りたてほやジュース。これが塩になるまで何時間かかるのか見当もつかないが、焦げ付かないようにかき混ぜながら気合で煮詰める。換気扇と空気清浄機は全開だぜ。


これに開いた魚を入れて、くさや汁みたいな使い方はどうだろ。くさやならぬ、ほやや。

沸騰してくると、当たり前だが磯臭さがガンガンに湧いてくる。磯遊び好きとしては決して不快な匂いではないけれど、調子に乗って鍋の上で湯気を吸っていると、フッと気を失いそうになる。


海水でしゃぶしゃぶする料理があったよなと、少し煮詰まってきたところで、生のほやをしゃぶしゃぶして食べてみたが、完全に異文化の味がした。ご飯がまったく進まない味。

二時間半でだいぶ煮詰まった。売る訳じゃないんだから、ほや10個は多すぎたなと遅すぎる後悔。

焦げ付かないようにテフロン加工のフライパンへ移動。白雪姫に恨みを持つ人がつくった特製ソースみたいだ。

ここからはごく弱火で。なんだか肌に良さそうになってきた。今年はエステサロンでホヤパックが大流行!

オリジナルほやじおの完成

煮詰め続けること三時間半。本当に粉状になるのか不安だったが、どうにかオリジナルほやじおが完成した。


あの液体が煮詰めたことで粉状になったことに、ちょっと感動している。

そうだ、金魚にエサを上げるの忘れていた。

できたてをなめてみると、これがまさに、ほやふんじおという味。ほやはアルツハイマー予防に効くという話だが、これは大切な何かを忘れそうな味だ。

サザエやアワビの肝っぽい味といえなくもないのだが、自分の顔が「北斗の拳ごっこ」でやられ役をやった時以来の表情になっているのがわかる。食べる経絡秘孔。ひでぶ。

液体の時はそれほどでもなかったが、煮詰められたことでほやのフン度が数段アップ。たぶん全体の三割はフンなのだろう。

フンといってもきれいな海を濾した残りかすなので、たぶん成分を調べればミネラルたっぷりの超健康食品なのかもしれないが、これを使った料理方法がまったく思いつかない。

明日、ちょっと別の方法で、ほやじおを作り直してみよう。


< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.