一連の絵として考える
―予告編(※公式サイト上の)で出てくる最後のシーンがめちゃくちゃかっこよくて感動したんですが、ああいうものって先にこういう画を撮る!って決めてるんですか?
あそこはあれ一連の絵だと思ってるからね。そのためにはまずゴーンといかなきゃいけない(※ここでのバイオレンス描写)みたいなとこがあって。
シーンいくつ、って台本には書いてあるけどそういうシーンは全部まとめて一つなんで、ちゃんとそういうとこロケハンして、ここではこう撮らなきゃって、先にあんだよね。あのシーンはおれも好きなシーンなんだけどね。
俯瞰で遠くに風力発電のぐるぐる回ってるのは、ああ、なかなかいい、と思って、じゃあクレーンをもっと上げよう、ってなって。だからあそこで、一連のものは大体あるんだよ。絵的にはあれいい絵だなあと思うね。
―黒塗りの車が特にカッコよかったんですが、タイトルのシーンも強烈でした
黒塗りの車ガンガン行かせて、一台だけ遅れてきて、ハイスピード使って屋根撮ったときに『アウトレイジ』って入る。文字がぴったり屋根に入るかどうかは、事前に問題になったんだけどね。だから赤と黒にしといて、ってのはまあ一応それ用に作ったね。
(映画の)頭はかなりカメラマンも気を遣って撮ったけどね。ピンぼけさせて、横移動もさせたりなんかして、あそこはバリエーションもあるんだよ。
暴力映画なんて屁みたいなもんだよ
―ヤクザ映画ってカッコイイ!と思ってしまったんですが、同時に、あ、不謹慎かも、と思ってもしまうんです。今そんなヤクザ映画離れした世代にバイオレンスをぶつける不安はありましたか?
まあ「今度の暴力映画で社会に対する影響は?悪影響があると考えませんか?」って海外でもよく聞かれるんだけどね。
よく答えるのは「逆に言うと、愛と感動の映画が社会に対してどれだけいいことしたんだ」って。暴力映画よりも圧倒的に数が多いのに、相変わらずベトナム以来、アフガンもなにもイラクもなにも、あんなめちゃくちゃなことが起きてんのに、映画の影響がどこにあるんだよ、って。
だから暴力映画なんて屁みたいなもんだよ、って言ったらみんな納得してたみたいだけど。映画にそれほど期待してちゃいかんよ、って。 |