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はっけんの水曜日
 
由緒ないお城をめぐる

おどろきの平面城

最後に紹介するお城はかなりの飛び道具です。

池袋駅から少し離れた、首都高の脇にある建物なんですが……。

ん!? コレは……お城?

この、どうしようもないチープさと、立体感のなさは一体……!

ああーっ、ビルの壁にお城が描かれているんですね。そりゃあ由緒もなにもあったもんじゃありません。

壁に描かれているにしても、トリックアートみたいに超リアルな絵であれば「遠くから見たら本物のお城みたい!」というようなことになるかもしれませんが、残念ながらこのクオリティでは……。

しかもサビが流れ出てきてしまっており、見るも無惨な状態になっております。

この建物は「歴史発見館」という江戸時代に関する博物館だったらしいんですが……。

「歴史」らしさを出すためにせっかく壁にお城の絵を描いたのに、その下に歴史もクソもない電飾バリバリの看板を作ってしまうというこのセンス。ある意味すごいです。

当然、今ではすっかり潰れており「売ビル」の紙がさびしく貼られていました。

しかし、これはお城を買って本当の一国一城の主になるチャンスなのでは!? ……この城だったら欲しくないか。

ちなみにこの建物、由緒ないお城マニアにとってはタマラナイものがありますが、薄ビル(信じられないほど薄?いビルのこと)マニアにとっても見逃せない物件となっています。

見よ、この薄さ! ここまでくると「ビルの壁に描かれたお城」というよりは書き割りに近いですよね。

もちろん、反対側はもう少し厚みがあって、鋭角な三角形のビルになっているんですが、それでもここまで薄々だと、中がどんなことになっていたのか気になっちゃいます。

いやあ、それにしても見れば見るほど味わい深いこの外観……。眺めているだけでニヤニヤしちゃいますね。

これぞ、由緒ないお城鑑賞の醍醐味……かなあ? ちょっと最初の趣旨とズレてるような気もします。壁に描かれたお城まで「由緒ないお城」にしちゃっていいものか悪いものか。

でも、こんなお城もボク、嫌いじゃないですよ!

まだまだ見たいぞ由緒ないお城

由緒ないお城をいくつかめぐってみて思ったのは、「すごいなー、よく出来ているなー」というケースと「すごいなー、どうしてこんなことになっちゃったんだろ……」というケースに分かれるということ。

紹介した中で、どれがどっちだったのかは、各自で判断して下さいね。

とりあえず今回のところは、普段の行動範囲である東京近郊のものばっかりだったんですが、地方に行けばまだまだショッキングな「由緒ない城」があるハズ。

今回はお店などの建物ばっかりでしたが、変わったオヤジが自宅を改造してお城にしてしまった……とか絶対あると思うんですよ。そういうのこそ見てみたいですよね。

ボク的にしばらく「由緒ない城」を追っかけて行きたいと思っていますので、ご近所で由緒なさそうなお城を見かけましたら是非編集部までご一報を! よろしくお願いします。


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