音を作ること
ヒューマンビートボックスにカッチリ決まったルールというのはなくて、キックやスネアの音にしても、10人いれば10通りの出し方がある。
決まり事がないだけに、レパートリーを広げるためには、自分でどんどん新しい音をあみ出していかなきゃいけない。
そうやってどんどん新しい音が発明されるので、音楽の幅もどんどん広がっていく。昔はヒップホップのものだったヒューマンビートボックスも、いまではテクノでもジャズでもなんでもありだそうだ。
音の作り方
たとえば、KAZさんにきいた、ウッドベースの音を作るときの話。
ウッドベースの構造を考えると、あの低い音を出すには十分な長さの弦が必要
→人間の声帯の長さは決まってる。もっと長い素材はないか
→唇を使えば声帯より長い波形を作れる!
これにさらに低い声を重ねたりして試行錯誤を重ねて、ようやくウッドベースの音ができたそうだ。ただの音マネじゃなくて、楽器の構造まで考えてるなんて、思ったより相当奥深い。
ちなみにいちばん音づくりのインスピレーションが浮かびやすいのは「風呂場で全裸」だそうだ。「これは世界中のビートボクサー共通ですね」と力強く語ってくれた。
ヒューマンビートボックスちょっといい話
その他、コネタっぽい話を。
・屋形船に呼ばれてビートボックスしたことがある
・ビルの前で練習してたら警察が来て、「このへんでラジカセの音が聞こえるって通報があったんですが」
・ビートボックスを始めた最初のきっかけは、近所のショッピングセンターに来てたアカペラグループ
・あんまりやり過ぎると歯医者の麻酔みたいに唇が麻痺して、よだれが垂れてきますよ
などなど。話を聞いてるといろいろストイックなようで、でもあくまで「楽しんでる」感じが、心踊る。いちいち「俺もやりたい!」ってウキウキしてしまうのだ。
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