若手社員Nさんの話

月末がヒマでお盆が忙しい

---経理の仕事で、一般のイメージから意外なことってあったりしますか。
「経理っていうと月末忙しいってイメージがあるかもしれないですが、私の場合、月末はヒマなんですよ。私の仕事の中で一番手間がかかるのが、手形の作成と受け渡し。これは毎月10〜20日くらいにやります。末日は本当に無になっている時間もありますね。テスト前だけ勉強する学生みたいな感じです。」
「逆にお盆休みが取りにくかったりはします。お盆はだいたい８月の中旬くらいなので。」

確かにこれは思いもよらなかった。経理と言っても月の中で忙しいときは人それぞれらしい。

---仕事で大変なことってどんなことですか？
「毎週水曜日に、社員の人が使った経費の精算をするんですが…これを一人一人計算して現金を封筒に入れて直接持ってゆくんです」
---それ、楽しそうじゃないですか。人にお金を渡すの、いい気分になれそう

「ありがたがってはくれるんですけれどね。間違えると恐いです。一日の数字を締めたとき、１円でも数字が合わないと動悸・息切れがします。その日の取引を全部見直すと、だいたい、こんな風に人に渡したお金が間違っていることが多いですね」

動悸・息切れという表現がすごい。経理の人は静かなデスクワークのイメージがあるが、意外と心臓や血管に負担のかかる職種なのかもしれない。人の内面では、何が起こっているかわからないものである。

外に出られないからデイリーに投稿してサボる

---経理って外に出られないですよね。息抜きはどんな風にしていますか？
「ヒマなときはインターネット見ていますね。もちろんデイリーポータルとか。エクセルのヘルプにうまくカモフラージュさせて」

「今も投稿用のネタを作っているんですが、同じやり方でメモ帳を目立たないようにして職場で作っています。誰にもバレてません！部屋の中にはいるけれども、心は外ですね」

内勤でネタ文章を作っているのはすごい。ちなみに「見つかったとしても大丈夫」だそうで、このあたりにNさんの普段の仕事ぶりから培った人間関係がうかがえる。

経理グッズを見せてもらう

Nさんはふだん仕事で使っている道具を見せてくれた。どれも飾り気がなくて、いかにもオフィス！という感じのするものばかりだ。

道具を見ると、やはり経理は固い部署だと思う。でもこうした中でデイリーのネタをこっそり作っているというのはなんだか面白い。僕としては、過酷な密林の中でゲリラ戦をこなしている同士のように思えてきた。