準備は粛々と
指を入れて水温を調べる。
海といっても東京湾、しかもずいぶん浅瀬なので人肌ぐらいになっているかもしれない。
予想以上の厳しさだ。本気で冷たい。そして磯くさい。
冬の海をなめてはいけない。父がいつも言っていたことである。いや、父ではなく年末に見たマグロ漁船の特番で漁師が言っていたことだった。
そして住さんは巫女の衣装を取り出した
特別な仕事を撮影するときに使っていたものだそうだ。身体を清めるためにもこれを着たいという。
巫女さんって女だし、住さん着たら着たら変態っぽいですよ、とは言えなかった。それほどまっすぐな眼差しである。
住さんの寒中水泳に対する想いは真剣だ。その気持ちにこたえるために僕は必死で、神主が持ってる先っちょにわさわさしたものがついてる棒(以下、棒)を必死に降った。
デイリーポータルZ読者諸氏の無病息災を祈って
秘密兵器を出します
住さんの気合いに押されて僕もとっておきの道具を投入することにした。自動でまわるカメラ台である。くるくる回って人を発見するとシャッターを押すのだ(私物)。
未来カメラと呼ぶことにします
未来カメラの動き
住さんの寒中水泳の瞬間をこの未来カメラと僕の2カメ体制で追うことにする。
まずは足だけを水につけようとする住さん。一見気合いとほど遠い感じになっているが、自分の弱さを認めることも寒中水泳の効能のひとつである。
「押すなよ! 押すなよ!」の姿勢
そしてついに
「ひゃあああ!」
しばらく海のなかに立ち、あがってきた。2010年の気合いがみなぎっている。
しかし写真はブレブレ
しかし住さんの気合いにおされたのか、写真はブレブレであった。しまった…。
しかし未来カメラがある。未来カメラのプレビューを確認してみると…
べつやく