あけましておめでとうございます。
本年もデイリーポータルZをよろしくお願いします。
さて、新年といえば恒例の寒中水泳である。恒例と書いたが調べてみたら2006年に住さんがやっていただけだった。
いや、寒中水泳をする男はそんな細かいことは気にしないのだ。
今年も1年の気合い入れと無病息災を願い、男2人が冬の海に向かった。
(林 雄司)
海も休みがあるのだ
海に向かったものの、海は閉鎖されていた。
12月29日から31日は大森の砂浜がある公園が休みなのだ。そして今年のおれたちはひと味違うぜまで言っておいて撮影は2009年であることがばれた。そうだ、今日は2009年12月29日だ。仕事納めの翌日である。
納会までしておいて翌日が寒中水泳。最後にいちばんハードな仕事が残っていた。最高の盛り上がりをトリにもってくるあたり年末の格闘技の特番みたいな構成である。おれの1年。
しかし僕らのような人は多いらしく、公園入り口はちょっとした人だかりができていた。
散歩に来た近所の人に聞いたところ、元旦はここで初日の出を見る人で賑わうが、年末はそのぶん休みなのかねえ。とのことだった。ここで日の出が見られるというのは初耳だ。海から太陽が上がるのだろうか。
「いや、工場の向こうからあがるんだ」
町工場が多い大森の誇りを感じる初日の出スポットである。
ここで企画を変更しない強い意志
代わりの企画をどうしたものか。大森をぶらぶら歩くか、飲んでしまうか。いや、そういうのはもうやめよう。1年の気合い入れである。寒中水泳がしたい。アントニオ猪木は氷風呂に入って糖尿を治したというではないか。なにかの雑誌でそれについて専門医が「絶対にやめてください」とコメントしていて笑った。
近所のおばちゃんに砂浜ではないが海に出られる場所があることを教えてもらった。そこだ。
思わず広島弁になるほどの海である。
しかしこの海こそ僕らが育った街そのものである。僕らそのものと言ってもいいかもしれない。そこに入ることで自分を見つめて、新年の決意を新たにできるというものだ。
理屈を並べてみてもここに入る理由につながらないのがすごい。
とにかく寒中水泳だ。トリャー。