ある日、時間を持て余していていた私は、いつものようにwebの地図サイトを開き、いつものように日本列島津々浦々を眺めては、一人ニヤニヤ悦に入っていた。これまでに行った場所、行きたいと思っている場所などを、スクロールや拡大縮小機能を駆使して縦横無尽に駆け巡る。あぁ、素晴らしき至福の時間。
そんな時、ふとマウスを握る私の目に妙なものが飛び込んできた。それは京都府と奈良県の境に位置する山の辺り、やたらとゴルフ場が林立するその界隈だ(どうでもいい事ではあるが、衛星写真で見るゴルフ場ほど、生理的嫌悪感を覚えるものは無い。おっと、話が反れた)。
そこには、市町村の境界線なのだろうか、県境よりも細い線が狭い範囲にぐちゃぐちゃと入り組んでいる不思議な地帯が存在した。その形状は、いわゆる粘菌の類とか、アメーバのようにも見える。私は思わず、「なんじゃこりゃー」と叫んでしまった。
(木村 岳人) |