安定したおいしさの料理を手頃な価格で提供する、飲食店のチェーン店。普段着の外食として重宝している人も多いのではないかと思う。
牛丼、カレー、焼肉、ハンバーガー、コーヒーなどなど。出すものの種類をいくつか挙げてみたが、それぞれ思い浮かぶ大手チェーンがあるだろう。そうした中に、チェーンを運営する会社が、メイン展開とは別業態の店舗を出している例がある。
たとえば右の写真の「魚角」。これは決してまがいものではなく、あの焼肉チェーンの会社が展開している店なのだ。意外性もあるこの手の店を回ってみた。
(小野法師丸)
よく知ってるのに新しい別業態店
大手チェーンの別業態店めぐり。まず紹介するのは、日本全国と海外合わせて1200店以上のカレー店を展開する、「CoCo壱番屋」の別業態店だ。
カレーラーメンをメインメニューとして提供する、「麺屋ここいち」だ。チェーンの本社がある愛知県に6店舗、そして東京に1店舗という展開。レアリティはかなり高いと言えるだろう。
まったく別のものを出すのではなく、カレーを生かした別メニューの提供。味にも安心感がもてそうだ。
メニューとしてはあくまでカレーラーメンがメインで、カレーライスはない。スープのベースと辛さ、麺の太さをまず選び、トッピングを加えて注文するスタイルだ。
変わったところはないものかと机上を見てみる。紙ナプキンやレンゲと一緒に立っている物が目についた。
それはよく見ると扇子だった。辛さが相当のものまで選べるようなので、汗対策ということなのだろう。
また、同じくテーブルにある器には福神漬けが入っていた。カレーライスはないのだが、オプション的なご飯ものメニューはあるので、そちらと合わせてもおいしいのかもしれない。
注文したのは最もベーシックな「うまこくカレーらーめん」。一緒に「肉味噌めし」なるものも頼んでみた。
ラーメンの味は、ココイチで食べたことがあるカレーの味がベースになっているようにも感じつつ、それが麺と一緒になっているので不思議な感じ。もちろんちゃんとラーメン的にアレンジされていて、安心のおいしさ。
ネギがいっぱい乗ったご飯メニューもおいしい。麺を食べたあと、ご飯をスープに投入してラーメン茶漬けのようにして食べてみたところ、これもまたうまくて2度楽しめた。
今回訪れた店は、東京唯一の「麺屋ここいち」である、新宿小滝橋通り店。その道を新宿駅方面に歩いていくと、こんな店がある。
「カレー&カツ チキン亭」というお店。メニューの定食欄を見ると、とんかつを押しているようにも見えるが、大きく張り出している一押し的メニューではしっかりチキンカツをアピールしていた。やはり店の名前はチキン亭でいいのだろう。
この店は食券制で、店舗前に自動販売機が置いてある。
メニューの写真がびっしりと詰まったこの券売機の雰囲気、見たことがあるような気がする。そう、それは牛丼チェーン店の「松屋」だ。かなりのそっくり度。
実はこの「チキン亭」は、松屋が展開する別業態の店舗。公式ページによると、新宿と仙台に1店舗ずつしかない。相当珍しいということになるだろう。
もう一つ、松屋系列の店を紹介しよう。訪れたのは港区赤坂。和定食の店「松乃家」なる店だ。
赤坂という土地柄もあるのか、ちょっと落ち着いた雰囲気の店構え。布で大きく店名を飾ってあったり、竹が植えられていたりと、よく知っている松屋とはなんだか違う。
「和定食の店」とのことだけあって、メニューには牛丼やカレーではなく、各種定食がラインナップされている。
その様子からして、敷居がやや高い店なのだろうかと思ったが、ロースカツ定食が750円という価格。安心しつつも、店内の様子は普通の松屋よりちょっとグレードが高そうに見えたので、気軽に気分を変えたいときにはよさそうだ。(公式ページ)