宇宙もだいぶ身近なものになってきていて、そう遠くない未来には宇宙旅行なんかも実現するのでは……などと言われている昨今ですが、それでも未だに僕らのロマンをかき立ててくれる宇宙やUFO。
そんなUFOに出会えるかも知れない「UFOの里」という場所が福島県にあって、そこにはUFO関連の施設もあるんだとか……。
(絵と文:北村ヂン)
UFOと遭遇したいようなしたくないような……
中学時代にUFOに夢中になり過ぎて、友人とジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件に宇宙人が関与しているかどうかで殴り合いのケンカになったという話は以前デイリーポータルZの記事でも書きましたが(参考→「芸術が暴発! かっぱ村に行ってきた」)、そういえば他にもUFOに完全に心奪われていた頃のエピソードがありました。
小〜中学生時代に、宇宙人に誘拐されて人体実験をされてしまった人の話や、宇宙人に切り刻まれて殺された動物たちの話を本などで読みまくっていたため、もうUFOが怖くて怖くて仕方なくなってしまって、夜、布団についてから「宇宙人に誘拐されませんように……」と、お祈りしてからでないと安心して眠れなかった時期があったのです(それも結構長い間)。
そんな僕もすっかり大人になり、UFOに対し「怖い」というよりは「面白いな」というスタンスで接することが出来るようになったので、ここらで是非UFOと第三種接近遭遇してみたいなぁ、などと思っているのですが……。
なんと、そんな夢をかなえてくれそうな(?)「UFOの里」という場所が福島県にあるらしいのです。
さて、JR福島駅前からバスに乗って「UFOの里」に向かうんですけど。
よく見ると「UFOの里」の文字が。……直球だなぁ!
電車の駅などよりも細かく設置されているバス停には変わった名前のものも多いですが、それにしても「UFOの里」っていうのはかなり豪快なネーミングです。
ほいっ、こちらが「UFOの里バス停」。
うーん、完全にどうかしている名前以外はいたってフツーな田舎のバス停といった雰囲気です。知らないで通りがかったら「なんじゃコレ?」って思うでしょうけどね。
ちなみに道の反対側、帰り方面のバス停はこんな感じ。
あ、この屋根、おそらくUFOっていうことなんだろうな……。
そして、バス停の周りには早くもUFO関連の看板がズドーンと立っています。「UFO」とは書いてあるものの、全くUFO感が伝わってこないのと、色々情報量が多すぎて頭がクラクラしてきちゃいます。
この看板なんて、UFOと一緒に少年とワンちゃんまで足からジェットを出して空飛んじゃってますからね。もう、UFO云々以前の問題ですよ!
さらに「UFO物産館」というところで販売されているらしい「飛魚らーめん」ののぼりが……。
誇らしげに「UFO」って書かれていますが、おそらく「飛魚=飛ぶ、UFO=飛ぶ」という一点突破で生み出された商品だと思われます。
しかもこの辺、思いっきり内陸だからどう考えても飛魚が名産品ってことはないと思うんですけどね。
気を取り直して「UFOの里」を目指して行きましょう。このような山道を登っていくと……。
なんか、やたらとこんな光景が……。コレは別にUFOとは関係ないですよね? UFOを呼び出すおまじない的な何かとかじゃないですよね? そうですよね?
未だにコレの意味するところは分からずじまいです。
おおうっ! 宇宙人が裏からヒョッコリのぞいているというビックリ度の高い看板発見! 夜中に見たら腰ぬかしちゃいますよ。
しかし「UFOふれあい館」「UFO物産館」って……。
さて、さらに山道を進んでいくと、山の自然から完全に浮いちゃっている建物が。
ジャジャーン!
こちらが「UFOの里」のメイン施設「UFOふれあい館」です! いきなり入口脇で宇宙人が待ってますね。
なんかね……なんだかね……いまひとつ気持ちがウキウキしない宇宙人なんですよねー。
いざ、UFOふれあい館の中へ!
中に入ると、荒井欣一さんというUFO研究家の方から寄贈された大量のUFO関連書籍や資料がズラリ!
よく見ていくと「昔、コレ読んだ!」というような懐かしの本もあったりして、「中2男子がもう夢中」といった感じの本棚になっています。
中でも圧巻なのが、月刊オカルト情報誌『ムー』の数! なんとここには創刊号からの全号が揃っているんだとか。『ムー』は僕も一時期相当熱心に買っていましたが、全号とは……こりゃスゴイわ。
地方にあるこの手の施設のお約束で、来館した芸能人のサインなんかも飾られていました。鳥居みゆきさんあたりは「いかにも来てそうッ!」という人選ですよね。
そして、懐かしの『ヤキソバン』人形なんかも。「なんでヤキソバン!?」と思ったものの、おそらく「UFO」つながりってことなんでしょう。
それではいよいよ展示を見に行きましょう。
気合いが入ってるんだか入ってないんだかビミョーな電飾でデコレーションされた入口がなんともアヤシゲです。「ミステリーゾーン入口」って……。
中もこれまたアヤシイ!
細い通路が薄暗い照明でライトアップされているのですが、なんとなく「バブルの頃に妙に流行ってたオシャレなバー」といった雰囲気になっちゃってます。
ん? 「グレイタイプの宇宙人」って書いてありますね。
しかし目の前には何もないですけど……。
ちなみに「グレイ」っていうのは、デカイ頭に細い身体、そして灰色の肌を持つ、ポピュラーなデザインの宇宙人のことです。
おっと、いかにも「押してね!」といった感じでスイッチが設置されています。ポチッと押してみると……。
ボワーッと宇宙人が浮かび上がってきた!
「グレイタイプの宇宙人」のような、非常によく出来た宇宙人がいるかと思えば、こんな紙をちょろっちょろっと切っただけの、小学生の図工レベルの宇宙人も色んなところにいたりします。ゆるいなぁ〜。