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はっけんの水曜日
 
とんでもない土産屋……というか武器屋さん


お土産屋さんって、基本的に人にあげるというのが前提となっているため、自分のためにはまず買わない物、日常生活では何の役にも立ちそうにない物、ウケ狙いのバカグッズなど、変な品揃えになっているお店が多いですよね。

そんなお土産屋さんの中でも「それにしてもこの品揃えはおかしいだろ!?」という、とんでもないお土産屋さんが鎌倉にあるらしいのです。

絵と文:北村ヂン



■大仏があればお土産なんかフツーでいいのに……

鎌倉にとんでもないお土産屋さんがある。しかも場所は大仏があるお寺(高徳寺)のすぐ目の前らしいです。でも変なお土産って、イマイチ観光的に売りがない地方でムリヤリ名物を作ろうとした結果生み出されちゃうというイメージがありますけどね。

その点、鎌倉なんて定番中の定番な超メジャー観光地。しかも大仏様のすぐ近くにあるお土産屋さんなら、普通のお土産だけ売ってても十分繁盛すると思うんですけど……。

そんなところに、とんでもないお土産屋さんがあるなんて本当なんでしょうか?

……というわけでやって来ました鎌倉ッ! たぶん中学校の修学旅行以来です。

いやあ、それにしても大仏様は存在感ビンビンです。巨大な人型の建造物って、ズドーンとそこにあるだけでテンション上がっちゃいますよね。

これだけ分かりやすい名物があれば、普通にいいお土産をいくらでも作れそうな気がします。

たとえば定番として、大仏をかたどったお菓子。誰にあげてもハズレなしでしょう。

大仏の置物なんかもお土産としてはピッタリですよね。

ひねりを加えたところで、こんな「大仏グミ・湘南グミ」なんてのも、ちょっとしたお土産としてはいいんじゃないでしょうか。

まあ、グミなんで若干フォルムが大仏だかなんだか分からなくなってますけど……。

さらに余談ながら「大仏グミ・湘南グミ」の「湘南」部分を↑コレが担当しているんだと思いますが、うーん……江ノ電かな? その一点突破で「湘南!」と言い切ってしまうというのはなかなか豪気な話です。

こんなのも売っていました「ブッダ・シガレット」。大仏+シガレットってかなり飛び道具ですが、それでも「大仏」のキャラが入っているだけでお土産として安心感があります。

そんな大仏のお膝元にある“とんでもない”お土産屋さんとは果たしてどんなお店なのでしょうか?

■予想を超えた取り扱い商品!

ほいっ、そしてこちらが問題のお土産屋さん「山海堂商店」です!

鎌倉だっていうのに看板にズドーンと富士山や五重塔らしきものが描かれているあたり、結構いい味を出してはいますが、そうはいっても「とんでもない」というほどではないと思うんですが……。

売っている物もまあ普通です。こういうダルマとかガマの置物とかね。観光地のお土産屋さんによくありますよね。

こちらも、どうして旅行先でいきなりこんな物を買わなくちゃいけないのか理解に苦しむものの、わりとよく見かけるツボ押し器。

冷静に見るとかなり珍奇なグッズですが、外国人観光客向けにはいいんでしょう、日の丸ハチマキ。

さらに「根性」「無敵」「必勝」「合格」などと、ビミョーな熟語が入ったリストバンド。

外人さん向けだと考えると「神風」「特攻」もかなりどうかな……と思いますが、それにもまして「神龍」って……。『ドラゴンボール』のアレでしょ? それは。

ああーっ、木刀! どう考えても名産品でもなんでもないのに、修学旅行になるとマヌケな中学生が買っちゃうんですよね。

あるあるあるある! ……と、ここまでは突っ込みどころはあるもののフツーのお土産屋さんでよく見る商品でしたが。

ん、日本刀? ま、まあ日本土産ということではアリなんですかね?

はっ!? 盾?

えーっと、えーっと……中世ヨーロッパあたりの兜かな?

えーっ!? バトルアックス(戦闘用の斧)!

なんじゃこの無数の武器たちは!?

■伝統あるけどとんでもないお店

さて、鎌倉で噂の“とんでもないお土産屋さん”ですが……

こんなごくごく普通の土産物にまざって

なんだかものすごくイカツイ武器がしこたま売っているというお店でした。確かにコレはとんでもない! ……というか意味が分からない! なぜ武器が!?

そういや、改めて外観をじっくり見てみると、牧歌的な店先に。

いきなりこんな戦闘的なショーウィンドーが……。

しかしどうして鎌倉の、しかも大仏の直近というお土産屋さん的にはサイコーの立地で武器なんかを売っているんでしょうか……。店長さんに聞いてみました。

ファンタジーやゲーム好きから入って、こんなに武器を集めてしまった店長。でもおかげで今やマニアの間では相当有名なお店らしく、週末になると全国のマニアが武器を買いに来るんだとか。

しかもこの山海堂商店さん、ポッと出のお土産屋などではなく、なんと創業100年以上というものすごく伝統のあるお店だというのもスゴイ!

おじいさんの代からみんな好き勝手やってきたので、お店を武器だらけにしちゃっても特に文句は言われなかったんだとか。……いい家系だなぁ。

ちなみに店長さんのお兄さんは、あの漫画『プラレス3四郎』(多分30代以上の人しか分からないでしょうけど)の作者・神矢みのる先生なんだそうです。うおー、すごい血筋!


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