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フェティッシュの火曜日
 
「○○で検索してください」が長くなってないか

検索担当の広田さん(左)

前ページでも出ましたが、アサカ206はこれ。

スペースが余ったので番外編。これアバウトでいいなー

担当者に聞いてみる

さんざん語ってきておいてなんだが、実は僕はこの手のキーワードで検索したことがほとんどない。というより、いままでその存在を意識したこともほとんどなかった。

しかしせっかく集めたのだから、事情に詳しい人にも話を聴いておきたい。詳しい人って誰だ、検索サイトの会社に問い合わせればいいのだろうか。と迷っていると、はたと気づく。弊社はネット企業なのだった。検索サイトの会社ってうちじゃないか。

そんなわけで、同僚でニフティの検索サイト「@search」担当者の広田さんにちょっと話をきいてみた。


検索ワードが長くなる理由

石:まずは僕が探してきたやつをいくつか見てほしいんですけど、まずこういうのとか。(「アサカ206」)

広:実際に検索してみましょうか。(検索する)

石:あれ、ないですね

広:(指差して)これじゃないですか?

石:あ、あった。広告の枠だったのか。企業がお金払って買ってるんですね。

広:そうですねー。あらかじめ、広告枠に表示されるように出稿しておく、ってのはよく見るパターンですよね。短かったり、元々検索されやすいキーワードだと、(広告にしないと)検索しても見せたいサイトがなかなか出てこなかったりしますから。

広告にしない場合で、これなら大丈夫だろう、っていうキーワード考えると長くなっちゃうのかもしれませんね。

石:そうか、他と競合しないために、長いキーワードにしてるんですね。

広:そうですね。

長 い検索ワードが登場する理由は、検索上位になるための競争が回避できるからでは、とのこと。

音楽やりたいけど、ギターうまい競争には勝てないから DTM(パソコンで音楽やること)やろう、という高校のときの僕と同じ戦略である。いま思えば、あれも一種のネットマーケティング戦略だったのかもしれない。ネットじゃないけど。


バリエーションは想定済み「ケータイと歩く」

今回のインタビューのために、「職場で転職情報誌(の広告ぺージ)を熟読する」という身を削った準備をして臨んでくれました

「誘ってくる」代表、「デルでいこう」

ドメインそのままなのはこれ、「R25.JP」。

再び番外。検索vs徳川。

メッセージといえばこれほどまっすぐなメッセージもないです

言い回しはいろいろ

石:たとえばこの「ケータイと歩く」ってやつ、文章になってるし、「ケータイ」ってカタカナだし、あとで検索しようとしても間違って覚えちゃいませんか?

広:助詞が入ると覚えにくいですね。ケータイ「と」だっけ?「が」だっけ?って。

(検索しながら)でも「ケータイが歩く」で検索してもヒットしますよ。助詞をとばして、「ケータイ 歩く」でも出ますね。

石:じゃあ、「ケータイ」を「携帯」にしたら?

広:「携帯 歩く」も「携帯と歩く」も出る。「携帯 ウォーク」はダメですね。あと「携帯を持って歩く」はでる。

石:「携帯持参で」はどうですか?

広:「携帯持参で」は出ないですけど、「携帯持参で歩く」は出ますね。

石:うろ覚えでも大丈夫なようになってるんですね、広告枠で買う場合、こういう言い回しのパターンは全部あらかじめ想定してるんですか?

広:そうだと思いますよ。広告出す側の担当者は、こういう言い換えのパターンすごくたくさん考えるらしいです。

石:どこまで出すか決める会議とかあるんでしょうね。「持って」は要るけど「持参で」はいいだろ、みたいな。持参はちょっとないわ、って。

覚えにくいという欠点は、「正確に覚えなくても出るようにする」という形で見事に補われていた。そのために、先回りしていろんなキーワードが用意されている。

その中には「ケータイと歩くザマス」なんてのもあったかも。そう思って検索してみたら見事にヒットして驚いたのだが、よく考えたら「ザマス」以外の部分がヒットしているだけだった。そうか。語尾とかじゃないよな。


誘ってくるキーワードたち

石:これなんですけど(デルでいこう)

広:「行こう」って。誘ってますね

石:探してみたら、誘ってくるキーワードがけっこう多いんですよ。(いくつか見せて)これとかこれとか。この広告見て検索しようと思った人は、家に帰るまで「デルで行こう」ってずっと思い続けるわけじゃないですか。家に着いたら着いたでキーボードで打つし。その過程でなんて言うか、サブリミナル的な…

広:(笑)。洗脳系の検索ワードですね。(検索しながら)あ、このポーズすごいですよ

(キャンペーンサイト。すごく自信ありげなポーズの4人の社長)

石:「デルで行こう」って覚えて帰って、キーボードで打って、だいぶ「デルで行かなきゃ…」って精神的にキマってきたところで、バーンってこの写真ですよ。「俺も行かなきゃ!」って思います(笑)


検索ワードはメッセージかも

石:あと、「R25.JP」。それ覚えてるんだったら検索しなくていいじゃん、って思ったんですけど。アドレス欄にそのまま入るから。

広:「.jp」って打ちにくいですね。「R25」で検索しても、同じサイトが一番に出てくるし。

石:ほんとだ。

広:もしかしたら、「冊子はR25だけど、サイトはR25.jpっていう名前です」という主張なのかなー。思いつきですけど。「デルで行こう」から考えると(笑)。

デルにしろR25にしろ、検索すると手を動かすから、キーワードが記憶に残りやすい。だから単に検索したら情報が出るよっていうだけじゃなくて、キーワード自体にメッセージを込めちゃう、って使い方はあるのかもしれない。

…とこの辺の話はだんだん憶測も入ってきているんだけど、広告なんて人の思惑の塊みたいなものだし、どこにどんな意図が込められててもおかしくないですよね。


以上、ネットビジネス情報でした

最初は広告探してキョロキョロしながら延々と電車の中をうろついていたのに、いつの間にか当サイトには珍しいくらいのビジネス談義になってしまった。

通勤のときなんかにはこんな背景も想像しつつ、変な検索ワード探してみるのも楽しいですよ。

今回いちばん短かったのはこれ、「にわ」でした。小気味いい。

 

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