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ひらめきの月曜日
 
動物園のゴリラはメタボに違いない

ゴリラ。それは霊長類最大にして最強の生物。その怪力は鉄棒を捻じ曲げ、野生においては群れを襲いにきたトラでさえ返り討ちにしてしまうことがあるという。どんだけ屈強なんだ。

しかしそれはあくまで野生の話。

動物園で飼育されているゴリラにそこまでの屈強さは求められない。身を守るべき外敵はおらず、餌は飼育係が用意してくれる。生活シーンのなかでその尋常ならざるパワーを発揮する機会もなかなかないはずだ。

そんな油断したゴリラはきっと体つきも油断しているに違いない。動物園でゴリラの体型をチェックしてみた。

(text by 榎並 紀行



緊張感のなさは想像以上

さっそくゴリラのいる動物園を調べたのだが、関東では2園だけだった。東京の「上野動物園」と千葉の「千葉市動物公園」である。どこの動物園にもいるようなイメージだったが、今や世界的にも頭数が減少している絶滅危惧種であるらしい。

しかし当のゴリラにそんな悲壮感は微塵もない。平和な動物園でのんびり暮らしている。


なんせこれだもの
来園客にアピールとかは特に考えていないようだ

ねえ、どんな夢を見ているの?

はじめに訪れたのは千葉市動物公園。ここには現在4頭のゴリラが暮らしていて、好天時は基本的に屋外で活動する姿を見ることができる。

しかしゴリラの体調によっては、屋内で安静にしなければならないことがある。必ずしも4頭を見られるわけではない。

ちなみに今日のラインナップゴリラは以下の通りである。


今日のゴリンナップ

高齢のゴロさん(僕より年上なので敬称です)は屋内で安静にしているようだ。今日見ることができるのは1977年〜1984年生まれという中堅のゴリラたち。僕が1980年生まれだから彼らとは同年代である。

僕自身、もうすぐ30の声も聞こえようかという年齢である。最近では人前にさらすのがためらわれる体型になってきた。

ここのアラサーゴリラたちはどうだろう。
まずは25歳のモンタである。


見事にビルドアップされた背筋と腰回りの筋肉
丸太のような二の腕

キュっと引き締まった理想的なヒップ
包容力を感じさせる分厚い胸板

そしてこの表情

屈強! ひたすらに屈強だ。顔つきも何だか男前である。その肉体美が自信につながっているのかもしれない。オスとして僕が勝てる要素は今のところ見当たらない。

しかし「やはりゴリラ。モノが違う」と片付けるのは早計だ。このゴリラは岩を登ったりして他者に比べると活発に動いていた。日頃から鍛練を欠かさない、意識の高いゴリラなのかもしれない。

他のゴリラに目を向けてみた。


ローラ(メス)さん32歳
屈強ではないがスリムビューティ

メスゴリラの体格は身長120〜150cm、体重80〜120kgが平均値という。しかし、このローラさんはそれより随分細く見える。インナーマッスル的なものが凄いのか。

いずれにせよ怠惰な暮らしぶりとは裏腹のメリハリボディだ。週3日程度はジム通いしてそうな健康的ボディである。


ケンタ(オス)さん32歳は一日中こんな感じなのだが
胸板はことのほか逞しい

ケンタさんにいたっては筋肉どころか指先ひとつ動かすのも億劫というたたずまいである。怠惰っぷりが板についている。

しかしこんなケンタさんですらけっこういいカラダをしているのだから、恐るべきはゴリラの遺伝子である。


しかし、ゴリラと人間の遺伝子は98%合致するらしい

なまけものの体には親近感がわく

動物園のゴリラはメタボというのは僕の勝手な思い込みなんだろうか。ゴリラであることの強烈な個性は怠惰な生活習慣をもねじ伏せるのか。

上野動物園でも確かめてみよう。

 

 
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