高貴で便利なイメージ
グルーガンでさささーっと造形できるような気がしていた。だが思うのとやるのと大違い。グルーは粘性がはんぱじゃなく、したがって表面張力も超・高校級だ。細かいシルエットが出せず、いちいちエッジが丸くなるったらない。
だがこれはこれで、「子供のこころを持った作者による、自由な王冠なのだ」と思いながら制作していくことにした。けど実際としては「子供のお絵かきレベル」の作業が続くのだった。
各パーツを接合するときもグルーを使うわけだが、パーツ自体もグルー。そしてグルーガンの先っちょは、熱い。気を抜くと、パーツ自体を溶かしてしまってせっかくの努力が水の泡になるから気をつけよう。
子供の心を映した高貴な作品は、これだ!
以前読んだ筒井康隆のショートショートを思い出した。とあるボンド会社の作った、高性能のボンドだけで接着した五重の塔。それが火事で消失したあと、後に残ったのはボンドでできた五重の塔、というもの。
でもこれは最初から全部ボンド=グルーだ。何の皮肉にもなってない。
ホットプレートで温めたらあっという間になくなる、というところは皮肉になってなくもないかもしれない。