ヘリコプター気分を味わう
出来上がったヘッドフォンを使って、ヘリコプター搭乗気分を味わってみよう。 ちょうどいい窓際が会社にあるので、まずはそこに座ってみた。 何もしないままだと、ただ窓辺に座っているだけである。
ちょっとちがうな
うむ、違う。 マイクの重みでヘッドフォンが浮いているせいもあるが、それだけではない違いがある。 やはり窓際に座っている人という印象の方が強い。 もう少し工夫しようか。
石油王になろう
ヘリコプターといえば石油王だ。 よくわからないがそういう印象がある。 自家用ヘリで移動していそうなイメージでゆくと、石油王化ハリウッドスターだ。 見た目をハリウッドスターにするのは大変だが、石油王だったら何とかなるんじゃないか。
根本的に間違えているか
ぼくが想像する石油王のイメージはこうなのだが(石油王の皆さんごめんなさい)、出来上がった写真を見てみるとちょっとちがう。 たぶん頭に巻くのはバンダナじゃないんだろうな。
もうちょっとヘリコプターっぽさと石油王っぽさを演出するためにサングラスをかけてみたら、ますますどこかに向かってしまった。 中東の戦地取材を元にしたノンフィクションの著者近影みたいになってはいないだろうか。 たぶん服がいけないんだと思って、白い布をまとってみた。
マッサージチェアでどうだ
撮影をお願いしていた編集部の安藤さんも「工藤さん、全然ヘリじゃないっすよ」と言っているが、そんなことはわかっておるよ。 困っている僕を見かねてか、「あのマッサージチェアどうですか?」とアイディアを出してくれた。 会社の休憩スペースにあるマッサージ用の椅子が飛行機のシートに似ているというのだ。
俺は何がしたいのか
僕がなりたいのはヘリ気分で、飛行機ではないのだが、なんだかそんなこだわりを持っている場合じゃない感じなので、とりあえず座ってみた。
マッサージチェアは座り心地がいい。 背もたれの角度がちょうどよくて、体を預けるとリラックスができる。 そういうことでいいだろうか。 いやよくないだろう。 さっきよりは、なにかメッセージのある写真になったような気はするが、そのメッセージは何かわからない。 少なくとも、ヘリコプターに乗っている風に見えないのは疑いようのない事実だ。
いつかヘリコプターに乗りたいです
僕は世の中を甘く見ていたようだ。 やはりヘリコプターに乗っているように見えるためには、ヘリコプターに乗らなければダメだ。 小手先でごまかせるような、そんなものではないのだ、ヘリコプターは。 夢はたやすく手に入れられるものではないということが、今回の記事を通して皆さんに伝えたかったことだ。