感動の登頂、そして待望の砂走りへ
ここまで約1300mの標高差を登ってきた。山頂までは残りわずか約450mである。ここまで来たら登れたも同然だから、ここで降りてしまおうか? なんて友人と軽口を叩きあっていたら、近くにいた外国人がまるで同じギャグを言っていておったまげた。どこの国にもしょうもないことを言う人間はいる。
正確にいえば日本最高地点は、登山道のゴール地点から火口をぐるっと周った裏手にあるのだが、富士山へのアタックは以上にて終了とした。あくまで今回の目的は下山道。「砂走り」にあるのだ。
歩けども歩けども、たどりつかない。
じつは砂走りなんて場所はそもそもなくて、それは何か一種の忍法みたいなものなんじゃなかろうか。そう思い始めたとき、踏み出した一歩がズボっと地面に沈んだ。この感触。ここが砂走りに違いない。
残り5パーセントくらいの、カラ元気を振り絞って駈けてみたのが冒頭の動画なのだ。
こけました
じつはこの直後、派手にすっ転んだ。ちょっとした衝撃映像なので、その部分をお見せすることはできない。
地面が柔らかい砂とはいえ、砂走りには大きい岩石も散らばっている。転倒すると非常に危険な上、他の登山客を巻きこむ恐れもある。いつでも立ち止まれるくらいの速度で下りたい。
結局は怪我もなく無事に下山できたわけだが、転倒の後の砂走りは牛歩の速度で降りてきたことは言うまでもない。