「すき焼き」という名前の由来は、その昔、農具の「鋤(すき)」を使って料理していたかららしい。
鍋などの代わりに農具を使って料理しちゃうなんて、なんとも野趣あふれていて楽しそうなので僕もやってみたい!
(絵と文:北村ヂン)
みんな大好きスキヤキ!
子供の頃、「カレーライス」や「寿司」などと並んで好きな食べ物ランキングの上位に食い込んでくることの多かった料理「すき焼き」。
ひとり暮らしをはじめてからというもの、とんと食べる機会がなくなっていますが、時々強烈「あーッ、すき焼き喰いてェー!」にと思い、身もだえしてしまうことがあります。
あの、濃厚な割り下でグッツグツに煮込んだお肉を溶き卵にくぐらせてチュルッと食べる……ウハッ、今すぐ喰いてえ。
漫画『美味しんぼ』の中で海原雄山が「これこそ、牛肉を一番まずく食べる方法だろう」とすき焼きをこき下ろしていたけど、何言ってんだあの人は! 美味しいじゃない、すき焼き。食べたいじゃない、すき焼き!
坂本九の代表曲「上を向いて歩こう」がアメリカで発売された時のタイトルが「Sukiyaki」だったということからも分かるように、それだけ日本を代表する料理だということなんでしょう。
しかし、すき焼きに関して不思議に思っていることがひとつあります。
調べたところ説がいくつかあるようなんですが、その中のひとつとして、「昔、農具の“鋤(すき)”の上に肉などをのせて焼いて食べたことから」……というものがありました。だから「すき焼き」を「鋤焼き」と表記することもあるんだとか。
ほうほう、農具を流用して調理するなんて、なんともゴーカイな雰囲気で楽しそうじゃありませんか。
そういや「鋤(すき)や鍬(くわ)」……みたいな感じで名前を聞くことはありますが、実際どんな農具なのか知らないですねぇ。
調べてみると、こんな感じの画像が……
「こんなフォークの化け物みたいなものをどう使うんだろう?」と思っていたら、また別の画像を発見。
両方とも鋤(すき)なんですが、こちらの方が一般的なタイプらしいです。おお、確かにコレなら先端の金属部分を利用して料理とか出来そう。
……ということで、鋤(すき)を使って鋤(すき)焼きをやってみたいと思います。
それではさっそく鋤(すき)を買いに行きましょう。
ホームセンターは武器屋
鋤(すき)を探しにホームセンターの園芸コーナーに行ってみると、あるわあるわ、農具がザックザク! 東京都内でもこんなに農具の需要があるんですねぇ。
関係ないですけど、園芸コーナーにはやたらと強そうなアイテムが沢山売っています。鎌なんかは思いっきり刃がついてて、スッパリ首とかはねられそうだし。
手斧もガツーンと脳天に打ち下ろされたら即死でしょう。
大木槌もなかなか破壊力がありそうです。
そしてこんな物まで。
チェーンソー! 色んな映画の殺人鬼が愛用している逸品がアナタの物に!
……って、殺人道具を買いに来たんじゃなかった。鋤(すき)を買いましょう。