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ひらめきの月曜日
 
水蜘蛛で忍者になる

入水!

さあ、水蜘蛛で水面を!と水蜘蛛を装着したものの、海の近くはとても滑りやすいので一度脱いで海辺で再び装着します。


転倒したら危険でござる。安全第一じゃ。


水はあまり冷たくなく、透き通っていて直ぐにも飛び込みたい気分。しかし、今回は水の上を歩くのが目的。


水はあまり冷たくないでござる。ムレムレなので泳ぎたいなり。


足にはめ直していよいよ着水!さあ、華麗に水の上を歩けるのか!


右足から慎重に行くでござる。


さあ、反対岸まで華麗に進むでなり!


進むなり!


進むなり・・・


進む・・・


う〜ん・・・


こんな物で浮くはずがないでござるよ!!


こんな板切れで浮くはずが無いことぐらい、子供でも忍者でも分ること。当然の結果です。逆に沈んだ際に板が邪魔で泳ぐのもままならない。危険です。なんとかしましょう。

 

忍者、計算する

水には浮力というものが有ります。「水の中の物体は、それが押しのけた水の量だけ軽くなる」というアルキメデスの原理を用いれば、水の上を歩くのに必要な構造を計算で求めることが出来ます。

要するに板で作った水蜘蛛の周りに浮くためのフロートを取り付けるわけですね。フロートの直径をX、パイプ径をY、水の比重を約1.03g/cm3とすると、体重を支えるのに必要な体積は・・・物理忍者部か?

計算した結果、必要なフロートのサイズが求められました。そして用意したのがこちら。


結果を予測して事前に用意していたでござるよ。忍の心は段取りなり。にんにん!


直径120cmの浮き輪が2つ。チューブ径も十分な太さ。この浮き輪を使えば計算上は水の上を歩けるはずです。

では取り付けてみましょう。


ポンプで膨らませるなり。地味な作業が続くでござるよ。

 

穴を沢山開けていたのはフロートを取り付ける為。あらゆる状況に対応した設計でござるな。


完成した改良型水蜘蛛がこちら。


板を乗せるとか、もっとしっかりした作りにした方が良かったか?不安がよぎるぞえ。


紐が入り乱れて出来にやや不安が残ります。紐の強度は問題ないはず。いきなり切れて水没ということはないでしょう。転倒時の脱出方法も検討しておく必要があります。


サンダルが直ぐ脱げれば倒れても問題は無いなり。紐が絡まったらどうするでござるか・・・


悩んでいても始まらないので、とにかく一度装着してみましょう。


なんだか水の上を歩けそうな気がしてきたなり。根拠の無い自信でござる。


装着してみると、かなり足を開かないといけないことが判明。安定感が極めて低い。浮き輪の間を紐で連結して広がるのを防ぎました。あとは自分の計算を信じて海へと踏み出します。

 

出港!


今度こそ水の上を歩くでござる!


なにしろ足元が大きくなり、接続されて交互には出せないので棒を用意しました。地面を突いて少しずつ深い場所へ出て行きます。


浮いたなり!「水蜘蛛じゃなくて船じゃん」という突っ込みが聞こえてくるが、忍びはそんなこと気にしないでござるよ。


計算通り浮くことが出来ました!水蜘蛛成功です!成功か?いや、細かい事はいい。水の上にいることは確か。しかし、このままでは水の上に立ったとは言えません。立ち上がらなくては水蜘蛛とは言えない。


立ち上がって・・・


手を離すなり!立った。水の上に立ったでござる!

安定感なし

「水蜘蛛で水の上を華麗に歩いて忍者になる」から方向性が変わり、「水の上に立つ」というか「水に浮く」になってしまいました。歩くように左右に足を出して進むことは出来ないものの、一応棒を使えば水面を進むことが出来ます。

実際のところ、水蜘蛛は泥や雪の上など足場の悪い所を足跡を残さずにスムーズに歩く為の物であったという説があるそうで、水の上を歩くにはサイズから言って不可能です。仮に水の上に立てたとしても、非常に不安定でそのままでは進むことは出来ません。

 今回の改良型水蜘蛛も極めて不安定でした。写真では一発で立っているように見えますが、何度もひっくり返りながらの撮影でした。その様子は動画でどうぞ。

全く安定しないので何度もこうなりながらの撮影でした。危険なのでサンダルと板は分離して乗せるだけに変更。とりあえず夏の海は気持ちいいでござるよ。


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