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土曜ワイド工場
 
赤い肉…基地フェス探訪!


 

ずっと前から、横田基地のフェス(在日米軍横田基地日米友好祭=通称、横田のカーニバル)に、行ってみたいと思っていた。

「いろんなものが見れて面白いよ、屋台料理も独特な味がするよ」なんて話を聞いていたからだ。
だって、普段は「写真撮影、全面禁止」(参考記事:「カリフォルニアで逮捕の危機」)な軍事施設が、年に1度、20万人ほどが訪れるフェスとして、大解放するっていうのだから。
もちろん、航空ファンのお兄さんたちも、でっかいカメラを持って、入場可能。

私は飛行機より…、やはり「アメリカごはん」と「基地って一体どんなとこなんだ」という興味のほうが強かった。
そこで友人を誘って、土日開催の日曜日のほう、8月23日の午後イチに行った、のだが…。

最寄り駅に付いたら、「駅のホームに人がいっぱい」で、線路にこぼれそうになっていた!!
泣き叫ぶ子供、困った顔のお父さんお母さん、気まずそうになっているデート目的のカップル。
こ、こんなに人気のフェスだったのか! 来る時間が悪かったのか!?
私たちは電車に乗り直して、「隣の駅で降りてタクる作戦」を計画した。

大塚 幸代



「いやあ、今年はおかしいですよ。毎年、こんなに混まないですもん」
と、タクシー運転手さんは言った。
なんでですかねえ、不況だから近場のレジャーで済ませようとしているせいですかねえ、と話をする。
「どうなんですかねえ。何でも、今年はいつもより珍しい飛行機が、見れるらしいですよ。そのせいじゃないですかねえ」
航空ファンだけで、こんなに混むものだろうか?
「あー、こっち行くと渋滞でアウトなんで、全部、裏道で行っちゃいますね〜」
運転手さんはキュッ、キュッと細い道を走っていった。たのもしい。
「もうここまで来たら、入り口のゲートまで、歩いてまっすぐですから」
ワンメーターちょっとの料金だったので、千円札を出し、「おつり要りません、ありがとうございましたッ」と降りる。
道に出たら、人・人・人だらけであった


普段は静かであろう、細めの道に、人があふれかえっていた。ゲート前は大混雑。

基地の外では、便乗商売多数。臨時駐車場やら、屋台やら。思わずソーセージを買いそうになってしまった。

入り口には、制服の人たちが立っていた。別に銃を持ってるわけでもないんだけれど、やはり緊張した。
身分証明書を持っていくのが決まりなのだが、あまりにも来客が多いので、ノーチェックで基地内に入ることが出来た。見たところ、バッグをさぐられていたのは、2、30代の男性ばかり。「歌舞伎町の職務質問」と「飛行機の搭乗チェック」に、限りなく近いセレクトだった。


中に入ると、カマボコ状の建物だボコボコたっていた。どれも、でかい。

道もめちゃめちゃ、ひろい。
あんなに駅のホームは混んでいたのに…、基地は、余裕で大量の来場者を収容していた。
「横田線」と書かれた、ターレーみたいな乗り物がやって来た。日本人の親子連れが、たくさん乗っている。
車上から、若い米兵が、歩行者と「イエーイ」「ヘーイ」と、ハイタッチを繰り返す。
ガタイのいい兵隊さんも、Tシャツで浮かれていると、普通のアメリカ人の兄ちゃんにしかみえない。

 

まずはビールだ!

なにはなくとも、とビールを探す。


見たことがないミラーライトがあった。200円。安い!(後で調べたら、ミラーの日本でのライセンス生産は、去年で終了していた。だから輸入ものしか飲めない。レアー。)

飲んでるうちに、あ、基地内は税金かかってないから安いのか、と気づいた。


こんな、へんちくりんな、浮かれたボトルも発見。当然、買って首からかけた。買った時は嬉しかったが、いま見返すと、ものすごくバカっぽい姿ですね。

でも、歩いていたら何人かに「それ、どこで売ってたんですカッ」ときかれた。フェスって、こういう格好がしたくなるものなのだ。


容器はプラスチック製。ヨーロッパのビールグラスを模したものらしいのだが、どこの国を参考にしたんだろう…? 
ちなみに横田のフェスでは、数年前から導入されているらしい。アメリカのフェスでスタンダードなのかは、不明。

ビールを飲んだら、やっぱり肉だ!


まずは豪華にステーキを食べることにした。

長い列に15分ほど並んで、メニューをゲットする。売り子さんは、日本語出来る人、あんまり出来ない人、さまざま。でも「ステーキ、ワン」とか「ビア、ワン」と言えば済むので、困ることはなし。


購入したら、かけ放題のソースをかけて…(ああ、この雑な光景もアメリカっぽい)

見本写真とはずいぶん違う気もしたが、手に入れたステーキセット。炭水化物と肉!

コーンは普通のゆでコーン、パンは「欧米系航空会社の機内食のパン」みたいな味がした。少々固め。でも決してまずくはない。淡々としたお味。


肉は…、赤かった。赤味ってこんなにおいしかったのか、という感じ。

味を説明したいのだが、「日本では食べられない味」としか言いようがない独特さ。味付けのせいなのか、肉質のせいなのか…。
うーん。
そういえば、9・11テロの余波で、JFK空港で空港封鎖にあった時、飛行機が飛ばなくて収容されたホテルで、ブッフェで食べた肉が、こういう肉だったような気がする。赤く、独特な風味…。
肉に対するアプローチが根本的に違うのだな、と思う。
もう一度食べてみたいけれど、やはりアメリカに行かない限りは、食べられないのかもしれない。

ソースは独特のすっぱさがあって、日本人の好きな「甘辛」じゃなくて「甘辛酸」だったので、苦手な人は難しいかもしれない味だった。


次は2ドル=200円のハンバーガー。

屋台の奥のほうでは、バーベキューコンロで、おっちゃんたちが次々の肉を焼いていた。
あれも軍人さんだったのだろうが、やはり普通のアメリカ人のおっちゃんにしか見えなかった。


肉、叩いて焼きましたー! という、素直な味のハンバーガー。

雑なところが逆に美味しい。こういうのは、やはり日本には売っていない。
はさまってるチーズは、チェダーだった。


ホットドッグも売っていた。これはなんと100円。マスタード、ケチャップは、もちろんかけ放題。

もっとフェスをみていきますよ! 飛行機とか。 >
 

 
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