管理人さんのお言葉に甘えて、ちょっと多めに採らせてもらった。 ぱきっぱきっと軽快に収穫できたが、トゲがとても細く多いので軍手をしていても指に刺さる。これは一筋縄ではいかない食材だな…。
メキシコの市場のおじさんは、表面を手早くナイフで削いでいた。1〜2分サッサッサと刃を滑らせただけで、薄く皮をむいたようになっていた。もちろんトゲは一本もなくなった。
思い出しながら真似てみたけれど、全然取れない。写真をみると、あちらのサボテンとはトゲの形状もずいぶん違うじゃないか…(本当に食べられる種類なのだろうかという疑念も見え隠れしはじめた)。 ピーラーでもうまく削ることができない。この細いトゲは地道に取っていくしかないようだ。
悪戦苦闘
葉の奥まで埋め込まれた細いトゲは肉眼で見えにくい。知らない間に皮膚に刺さり、あとになってチクっと痛みを感じるタイプのトゲだ。人に何か意味深な事を言われて、帰宅してから「あれはイヤミだったのか」と気づくのと似ている。
淡々と作業をしていたら思い出さなくてよい事まで思い出してしまい、罪のないサボテンが憎たらしくなってきた。
「揚げると大抵のものは美味しくなる」という定義を私は信じている。今まで食べたアクの強い草(どくだみ等)も、油でカラっと揚げると青臭さが面白いように消えたからだ。
すっぱい…
一口食べる。歯触りはよいのだが、酸味がまったく抜けていなかった。生で食べるのと変わらない酸っぱさにびっくりしてしまった。
メキシコで食べたサボテンはこんなに酸っぱくなかったのだ。ここで初めて「やっぱり地球の裏側に生えているサボテンとは同じじゃないんだ」と気づいた。