移動します

ところでここで問題発生。公園の方が教えてくれたのだが、どうやらこの公園ではこういう演奏活動をしてはいけないそうだ。（今までのは全部なしにしてもらいたい）

いっぱいストリートミュージシャンがいる、と思っていたのはみんなオーディションを受けて通った人たちなのだという。「今度オーディションありますよ」と情報を得たがこれほど豚に真珠な情報もない。

そそくさと移動。ストリートミュージシャンは大変なんである。

移動を繰り返す

ストリートミュージシャンはちょう大変。なんでみんな同じようなところでやってるのかわかった。そんな気軽にやって演奏していい場所なんてないのだ。

宮城さんは「どうせなら不安の全くないところでやりたい」と一旦スタジオに入ろうと言う。ストリートの概念を拡張しすぎだそれは。

ブジブジ言う宮城さんのその図体のでかさにいらいらしてきてしまった。でかいよ！と何度言おうと思ったことか。

最終的にはまた公園に。「金銭授受を伴う演奏はだめ」との表記が。よし、なら金銭はなしで再スタートだ。

呼び水に豆を置いたら客がハト

呼び水に、お金の代わりに豆を置いたらある程度予想はしていたがハトが来た。おお。なんてピースフルな世界。

枯れ葉を置いたらおっちゃんがDVD見た、なんてよくわからない変化しかなかった呼び水実験だったが、ここに来てようやく成果が出たのだ。長かった。

徐々に警戒を解いてケース内の豆に口をつけはじめるハト。お、今がチャンス。タンバリンをペコペコ叩くも宮城さんがなかなかトロンボーンを出さない。

出しても「ハトが逃げるから」と手で隠している。一体どうした、宮城さん。

メンバー間にすれちがいが生じ始める

まあひよせさんもまだ歌ってないし、ちょっとくらいやってみましょうよ、とうながしてみるも急にここで演奏するのはダメなんだと宮城さんは言い始めた。さっきからおかしいぞ宮城さん。

これは宮城さんに何かが憑りついているのではないか。そういえば今日遅刻したのは10時まで飲んでいたからだという。「やっぱりキャバクラって楽しくないっすね」と演奏中も言っていた。

キャバクラの霊である。キャバ嬢の霊が新たなヒロイン（ひよせさん）を生み出すのを嫌がっているのだ。

バンドの末路

カメラマンの安藤さんはひよせさんに「おれのテーマソング作ってくださいよ！」と迫っている。すごいぞ安藤さん。どんなハラスメントなんだそれ。

こうして思い出すのは中学の宮田先生が薦めてくれた映画『ザ・コミットメンツ』である。だめになっていく大所帯バンドのマネージャーがあ〜も〜やんなっちゃったな〜となる気持ちが身にしみてわかる。

残された道はもう解散しかない。するぞ。解散するぞ。プロ呼んでおいて一切歌わせてないけどもう解散しよう。

私たちTAROTは音楽性の不一致で解散しました

バンドはむずかしい

ぐずぐずだ。しかしそりゃぐずぐずも当然だ。家で血豆作りながら練習してみんな必死な思いで路上に出ているのだ。見事に惨敗した。

しかし『コミットメンツ』でも、あのきらめくような一瞬を味わったからいいじゃないか的なコメントでも締めくくられていた（ように思う）。

あの大勢集まってくれたお客さん（ハト）。あんなにも平和なコンサートができたのだから今日はそれだけでやる意味があったのではないか。

ちがった、そもそも演奏してなかったのだ。

（今日せっかく参加したのに一切歌うことがかなわなかったひよせさんのユニットSOMAのライブが今週土曜にあります。申し訳ないので告知だけでも。→詳細はこちら）