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ひらめきの月曜日
 
せんべい汁に合うせんべいを探す


せんべい汁に最適なせんべいはどれか?

青森県南部地方に「せんべい汁」という煮込み料理がある。

野菜やきのこで取っただし汁に、薄い塩味のせんべいを割りいれて煮込むという素朴な郷土料理である。

「せんべい」を「煮込む」という発想は一見ミスマッチだ。素朴と書いたが、郷土料理としては若干冒険的なメニューといえるかもしれない。

だが、これがうまいのだ。汁をたっぷり吸ったもっちりしたせんべいの食感がたまらない。

だしを吸ったせんべいはうまい。ならば色々なせんべいにだしを吸わせてみようではないか。

榎並 紀行



せんべい汁専用のせんべいがある

今回は市販の色々なせんべいを使ってせんべい汁を作る企画だが、本家を知らない方にせんべい汁を紹介しよう。

通常、せんべい汁に使われるのは、これまた青森の名物である南部せんべい。それも煮込んだ時に溶けにくいよう製造された特別な「おつゆ用せんべい」が使われることが多い。

「おつゆ用せんべい」は普通の「南部せんべい」と違い、そのまま食べてもおいしくない。味がうすいし、ぱさぱさしている。


「南部せんべい」。これはそのまま食べてもおいしいタイプ

食品として、自ら旨くなろうという気概には欠けるタイプだ。旨いか不味いか、どちらに転ぶのもスープまかせ、というスタンスである。フカヒレ級の大御所感だが、値段はいたってリーズナブルなのだ。

そんな「おつゆ用せんべい」も、ひとたび旨いスープと寄り添えば大変な美味となる。強力なパートナーがいる状況でこそ光を放つ。ダブルスに強いテニス選手みたいなものだろう。


せんべい汁の食材を買いに、青森県のアンテナショップへ

能書きはさておき、まずはせんべい汁を食してみよう。

せんべい汁の材料は東京でも購入することができる。青森県会館内にあるアンテナショップ「北彩館」である。ここでは青森県の様々な物産を販売している。


せんべい汁以外にも「大間産まぐろ入りのおにぎり」や
青森特産にんにくのカレーなども取り扱う

全国のうまいものは青森に集まっているのか。そう思わせるほど、うまそうなものばかりが目に飛び込んでくる。食いしん坊中枢を刺激する陳列のトラップだ。

にんにくカレーやまぐろのおにぎりも気になるが、今回の目的はあくまでせんべい汁だ。せんべい汁を探そう。僕は料理が不得手なため、スープが備え付けのものがいい。

そうしたタイプのせんべい汁セットは2種類あった。八戸せんべい汁研究所公認の「せんべい汁セット」と「松っちゃんの元祖せんべい汁セット」である。


松っちゃんのせんべい汁セット
八戸せんべい汁研究所公認のせんべい汁セット

なるほど松ちゃんのやつか、と妙に納得してしまうのは前者だ。松っちゃんがいかなる人物かは、特に記されているわけではないが、きっといい人だろう。

ただ、今回はお腹が空いていたので量が多い(4人前)公認せんべい汁を購入した。


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