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はっけんの水曜日
 
ミニ四駆を落語風に改造する

あの色の布、あのフォント

このふわふわしたボディを、紫色のサテン地でくるむ。カメラのカラーバランスの都合上、以下写真では布の色が青にしかほぼ見えないが、これは紫色であるとお考えいただきたい。


とにかくくるむ。型紙ないのでくるんでから切る。いきあたりばったり。
さっきあけた穴から金の糸を通して綿と布をボディに結びつける。

なるべく綿を詰めふかふかにして、本体のメカ感とのギャップを出したいわけだが、やりすぎるとタイヤや、走るコースの内壁に抵触して布が焦げかねない。その抵触しないギリギリのところで布を内側に折り返し、ぴったり貼り込むのに手間がかかった。

金のとじ糸は、数ある穴のうちから結局真ん中の後ろ寄りを選択。そのほうが空気抵抗を抑え、走りとのバランスが良いと考えたからだ(嘘である)。


四隅にこれまた金の糸でフサをこしらえる。
じゃホイールの色も金色に合わせないとな。

割り箸とポスカが登場しちゃうカスタマイズ現場。
前部のあいてる穴に木ネジで縦にドーンと留める。明らかに速さの追求を放棄した構造。

本来ミニ四駆のカスタマイズは、性能のいいモーターやギアに替えたり別売りパーツを追加したりタイヤに溝を彫ったりするものらしいが、その辺に詳しくないので改造するのは主にボディ、そして駆動機構に一切抵触しない部分に限られる。そこが歯がゆいところだ。

ひととおり出来上がったところで、何かが足りないと感じた。おお、ボディにはデザインやロゴが付き物じゃないか。というわけでラベルシールでデカールも自作しよう。パソコンには勘亭流フォントがなかったので、わざわざオンラインでフォント買ってダウンロードして間に合わせたぞ。

手間をかけるに従い、これは私のマシンなのだという思いが強くなる。座布団だけど。


デカール貼りはいくつになっても楽しいものである。

 

ここからは、カーグラTVの古谷氏のナレーションで

・・・。

幾つもの工程を経て、「高座ミニ四駆」、ここに完成。落語とメカとの融合が、ついに実現した。


割り箸は、いわゆる「めくり」である。風にはためく様を見たい。

見よ、このエアロダイナミックフォルム。新たなる時代の到来を告げる、フラッグシップマシンである(適当)。


房糸は走行時には後方になびき、走りのアクセントになろう。
表面はきらびやかながら、裏面は内部構造に干渉せず、高い汎用性を誇る「スタンドアロン・エクステリア」(適当)

・・・。

とりあえず走行テストをしてみよう。裏のスイッチを入れてと。



は、速い。ミニ四駆はとにかく速いのだ。止めるときに「めくり」の棒が衝撃で折れてしまうというハプニングがいちいち起こる。

でもとにかく動くことはわかった。ベランダでは狭いので、コースを実際に走らせてみた。「走らせてみた」というか、イベントその日その場所での様子を撮った動画である。



わはははは!速い。目でどんなに追ってみても、何がなんだか、座布団なんだか高座なんだかまったくわからない。

しかしいまだかつて、時速数百キロ(実車換算)で爆走する座布団を、私は見たことがなかった。今回の企画はこの1文に尽きるというわけだ。

なんと、これにて、お開きでございます。

※そしてなんと新橋の「タミヤプラモデルファクトリー」にて、この「高座ミニ四駆」が展示される予定とか。詳しい日にちは後日お知らせします。
https://www.tamiya-plamodelfactory.co.jp/

タミヤ公式サイト(日本)
https://www.tamiya.com/japan/

【告知】

イベントが続きます。
来週はデイリーポータルZエキスポで「マグロ解体ショー」やります(本物のマグロじゃない)。

そしてその翌週、8月29・30日は
高遠ブックフェスティバル」に参加しております。

ヨーロッパに散在する「本の町」を高遠で実現しようという最初の試み。
「本の町」とは、町のそこここに本屋さんがあり、長く滞在しながら好きな本を読んで過ごそうという何とも優雅な場所。
私も企画参加させていただくことになりました。
この両日は高遠の町をぐるぐるまわってるかと思いますので、ぜひ共にいい空気吸いましょう。


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