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ひらめきの月曜日
 
夏の自由研究。牛乳から色々作ってみよう!


食べ物とか食器とか色々作ります。

8月も残り2週間ほど。長い夏休みもそろそろ終わりを迎えようとしています。

しかし、この期に及んでまだ夏の自由研究のネタすら決まってないなんて困った子はいませんか?今日は身近な牛乳を使って色々作ってみます。

遠くに行かなくても1日あればなんとかなる!家にある物でなんとかしてみよう!

吉成



まずは生命の神秘。牛乳を発酵させよう!

自由研究というと昆虫採集、植物観察など生き物を題材にするネタが定番でしょう。しかし、今更植物観察するにも朝顔は既に生長して花が咲いてしまっている。虫を捕まえに行くにしても今年は天候不順だし、近所でという訳にはなかなかいきません。

しかし、身近な所に何億もの生き物がいるのです。それを増やして成長観察すれば生き物観察日記が出来てしまいます。その生き物とはこれ。


ラクトバチルス・ブルガリカスとかストレプトコッカス・サーモフィラスなんて奴らが生きてます。

味噌、酒、納豆、醤油。我々の周りには沢山の発酵食品が存在します。それはどれも微生物の力を借りて作られたもの。遠くのカブトムシより近くの微生物。ヨーグルトは発酵食品の中でもかなり短時間で作れます。半日ほどで生物観察日記を書くことが可能なので、締め切りが押し迫ったお子様にも安心して挑んで頂ける自由研究ネタでしょう。

まずは材料準備。用意するものは以下になります。

  • 牛乳1リットル(無調整の物が良い)
  • ヨーグルト50g〜100g
  • 牛乳を入れる為のフタができる容器
  • お湯を入れるペットボトルなどの容器。
  • 保温用の発泡スチロールなどの箱。

続いて作り方。


温度が高すぎると菌が死滅してしまうので注意。


まずは牛乳を40度前後に温めます。温度が高くなりすぎた際には40度ぐらいまで冷まして使います。


適当にスプーン2、3杯で構いません。使用した牛乳の量に対して5から10 %入れます。


続いて暖めた牛乳を容器に移して種菌となるヨーグルトを投入します。容器は熱湯をかけて殺菌してから使いましょう。ヨーグルトをすくうスプーンや温度計なども一度熱湯消毒します。もちろん手もちゃんと洗う必要があります。そうしないと悪い菌が繁殖して大変なことになります。


我が家では夏でも湯たんぽ大活躍。


暖めて種菌となるヨーグルトを入れた牛乳はフタをしてそのまま40度程度を保つように保温。保温時間は6時間から12時間です。


写真は完成後1日冷蔵庫で熟成させたものです。

温度や時間は種菌としたヨーグルトの種類によって若干異なりますが、基本は大体同じ。これだけでヨーグルトは完成。実に簡単です。

観察日記にする際には1時間ごとに取り出して変化を確認してみましょう。時間が経つにつれてだんだんと固まってきます。味も徐々に変わってきます。どのように変わっていくか実際に少し舐めて確認してみましょう。

他にも、こんな点を調べてまとめてみよう!

  • ヨーグルトの中にはなんという菌が何個ぐらい生きていますか?
  • ヨーグルトは牛乳の何が固まって出来た物ですか?固まっていない水の部分は何ですか?
  • 温度が高すぎるとどうなりますか?
  • 温度が低すぎるとどうなりますか?
  • 保温する時間が長すぎるとどうなりますか?

 

牛乳以外の物もヨーグルトにして比較してみよう!

次に牛乳以外の物をヨーグルトにして牛乳のヨーグルトと比較してみましょう。発酵させるのはこちら。


牛ではなく豆から作った乳。にがりを入れて固めれば豆腐です。


豆乳も40度前後に暖めて種菌となるヨーグルトを入れて保温すればヨーグルトのように固まります。


牛乳と同様に無調整の物がいいです。

豆乳の半分ぐらいの量の牛乳を入れます。


ただし、豆乳だけでは固まりづらいので牛乳を足して発酵させます。あとは牛乳の場合と全く同じ作り方。


出来上がったものがこちら。見た感じは豆腐のようです。

味は酸味のある豆腐です。


豆乳のヨーグルトが出来上がったら牛乳の物と比べてみましょう。味はどう違うでしょうか?硬さは?色は?香りは?気づいた点をまとめて表にすると分りやすくなります。

ちなみに、味のついた調整豆乳でも物によっては固まります。こんな豆乳をヨーグルトにしてみました。


やはりバナナ味でしょう。


作り方は通常の豆乳と一緒。牛乳を半分ぐらい足して温めたらヨーグルトを入れて発酵させます。


最近のフレーバー付き豆乳は豆乳臭さがほとんどありません。豆乳を飲んでいる気がしない。

かなりゆるいですが、一応ヨーグルト状。


無調整の豆乳で作るヨーグルトは酸味のある豆腐味で若干食べづらいです。しかし、こちらはバナナ味。最近のフレーバー付き豆乳は豆乳臭さがほとんど無いようで豆腐的な味はあまり感じらません。なかなか美味しい。

このように色々な物をヨーグルトにしてみて、牛乳との違いを比べると内容が増えて楽しくなります。柔軟な発想で色々な物に挑んでみましょう。

続いては作り方を工夫してみます。

 

色々な方法で保温してみよう!

牛乳からのヨーグルト作りでは既に説明したとおり、6時間から12時間40度近い温度で保温する必要があります。そのぐらいの温度で保温する方法にはどんなものが有るでしょうか?

暖めた物を保温機能のついた水筒に入れるなんて方法がまず考えられます。熱を発している家電製品の上に置くなんてのもいいでしょう。今の時期なら日が直接当たらないようにして冷房を使ってない部屋に置いてもいいかもしれません。色々な場所の温度を測ってみて最適な場所を探すのも研究のネタになります。

しかし、意外に身近な所に40度近い温度を常に保っているものがあります。誰でも必ず持っているものです。分りましたか?これです。


人肌感覚でヨーグルトを作ります。

それは体温。およそ36度ぐらいを常に保っています。若干温度が低いので発酵時間は長めになるものの十分な温度です。これを使って保温を行いヨーグルトを作ってみましょう。


腹の上で数億の生き物が活動しています。


暖めた牛乳を熱湯殺菌した瓶に入れてヨーグルトを投入。それにフタをしてビニールを被せ、紐をつけて首からつるします。直接瓶に触れている方が熱の伝わりはいいですが、サウナに入っているようなものなので汗がつかないための対策。更に風を通さない上着を着て保温します。


こまめな給水と1時間に1度休憩。トイレに行くときは外してから。
そりゃもう暑いのなんのって・・・。


この状態で日向に座り続けます。とにかく暑い。暑いけど我慢。こまめな給水と1時間に1度の休憩を挟み8時間ほど続けます。上下で風を通さない服を着ていたけど。よく考えたら保温の為なら上着だけでよかった。


体温ヨーグルト完成。人に食べさせるときは作り方をあまり説明しない方がいいかも。


温度が低いので出来上がりは若干ゆるいです。しかし、紛れもなくヨーグルト。自由研究でまとめる時には固まり具合や温度の変化などを1時間毎に記録するといいです。

この方法を実施する場合はくれぐれも体調管理に気をつけ、水分補給と休憩を必ず行ってください。

では、出来上がったヨーグルトを食べてみましょう。ヨーグルトを食べるスプーンは牛乳で作ります。次は牛乳からプラスチックを作ります。


家に有る物で牛乳からプラスチックを作ります。 >
 

 
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