つくピーというおいしいつまみ
その食べ物は「つくピー」という食べ物らしい。新丸の内ビルの5階、「日本再生酒場」という立ち飲み屋さんで食べられるという。
日本再生酒場の前はお客さんが鈴なり状態だった。みんな立ったまま楽しそうにお酒を飲んでいる。席が空いてるかどうか外から様子を伺っていると、元気の良い店員さんが大きな声で誘導してくれた。カウンターの一番端に通されると、中の職人さんがこれまた大きな声で注文を聞いてきた。まずはビールを頼んだ。
「箸は引き出しの中に入ってますから!」
と更に大きな声で箸の置き場所を教えてくれた。
お通しにキャベツの浅漬けが出てきた。引き出しの中から箸を取り出して食べる。
これが凄くおいしい。 お通しがおいしいお店は間違いない。
つくピーへの期待が高まる。
とりあえずビールを頼んでから、メニューを確認した。
ピーをPと表記しているが、確かにあった。つくピーである。 どんな食べ物なんだろう?
「さお」とか「ぱい」も気にかかるが、やはりここは「つくピー」だろう。
ビールを持ってきてくれた店員さんにつくピーを頼んだ。
ジョッキに注がれた生ビールを飲みながら、未知の食べ物「つくピー」を待つ。
その間、改めて店内を見渡すと店内がレトロな雰囲気でデザインされていることに気付く。古いホーロー看板を飾っていたり、東京オリンピックのTシャツが額装されていたり。新丸の内ビルは新しいビルなので、ここだけ異空間のようである。立ち飲み屋特有の活気と店員さんの大きな声。全体的に元気なので立っていても苦じゃない。
10分ほどしてから、つくピーが出て来た。
つくピーは、つくねとピーマンという組合せだった。
店員さんから食べ方の説明がある。
「つくねをピーマンで包んでお願いします!」
やはり大きな声だ。
言われた通り、ピーマンにつくねを包んで食べてみた。
今までに味わったことのない食感だった。ピーマンの固さとつくねの柔らかさが絶妙なハーモニーを奏でている。剛と柔。そしてつくねの塩っ気がピーマンとうまいこと絡みあっていい味を出している。
この組合せにピッタリなレスラーを考えてみたが、思い当たらなかった。
何もレスラーで喩える必要はないのだろうが、いずれにしても今までにない組合せであることは確かである。つくねとピーマン。未体験の方は是非。
このように、語尾がピーのものはお酒との相性がいいことは分かった。プーでもなく、ビーでもなく、ピーなのだ。ピーじゃないとだめだなのだ。ちょっとしたことで印象がガラッと変わる。日本語の奥深さを改めて感じた今回の検証でした。