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ロマンの木曜日
 
夜中に働いてくれる小人がいたらいい

掃除してくれる小さい自分の作り方

小さくなってハタキを持ってるようなポーズの写真を撮り(とても難しい)、 同じように小さい自分を作る。ここまでは全部同じ。

工夫が必要なのは持たせる掃除道具だ。 これはなるべく軽くて短いのを用意しなければならない。 小さい自分が耐えられないから。


そこで松居棒。

知ってる人がどれだけいるか知らないが、この松居棒は女優の松居一代が考案した、 棒にガーゼを巻き付けて作る掃除道具である。

過去に一度だけテレビで見かけただけだが、「松居棒」という名前のインパクトが強すぎて忘れられず、作ってみたら小人に最適だったのだ。松居棒すごい。いつか小柳棒も考案したい。電柱ぐらい太いので。

 

時計仕掛けのお掃除

夜中に動く仕組みは3つの中では最も単純。時計の針に乗っけるだけ。

そうしたら後はゴミをうまいこと配置すれば針の回転に合わせてホウキ(松居棒のことですがここからはホウキと呼びます)を持った小人も回って掃除してくれるという寸法である。


作る過程で一番難しかったのは松居棒の材料集めでした。
念入りにゴミをセット。この位置合わせが重要。

当然時計の回転軌道上にしかホウキは通らないので、 ゴミをその軌道上にちゃんと計算して置かなければならない。

つまりまたしてもまるで役立たないことが判明してしまったわけです。

 

掃除というより書

そうはいっても実際動かしてみたら、意外な働きに感動することはよくある。 ひょっとしたら人が掃除する以上のなにかしらを発揮してくれるかもしれない。 テストしてみよう。

仕組みが仕組みなので時間がかかりました。


これでも10倍速です。気長に見てください。

映像は10分の1の速度に縮めているのだがそれでも見てるのが面倒な遅さ。 実際に見てると動きがゆっくりすぎて掃除してるということをまったく意識させない。

置いたゴミが鉛筆の芯を削ったものなので掃除後にはその軌跡が残っており、 掃除というよりはむしろ書道。あまり掃除できてない。


見事な書家のような掃除後。
残りの削りカスはくっついていた。思わぬ松居棒のゴミ引っ付け力。

8時間寝てる間に8度掃く

さっきのテストはゴミの上を通ったのが1度だけだったが、 小人は長針に固定されてるので、例えば8時間寝れば8回転することになる。 その分さっきのと結果は変わるかもしれない。


人は変われる。

夜中の映像


ビデオカメラが30分以上持ちませんでした。

翌朝の結果


通った部分はほぼきれいになってます。
削りカスは散らかっていた。

だいたい6時間ぐらい寝たので6回転掃除した結果か。

書道状態になっていた昨日のに比べて、かなり掃除が行き届いている。残ってる芯のカスは軌道上から外れてホウキが届かなかった部分だろう。

あと削りカスは松居棒のゴミ引っ付け力があだとなったものなので、小さい自分に罪はない。


「ソレハカズヨノシワザデス」

というような言い訳がむなしく響くほど役に立たないけれど、どちらかというとこれは動きを楽しむものとして、貴族の間で流行るたぐいのものだと思う。カラクリ時計とか鳩時計のような。お掃除時計。

いまは小人原始時代

今回作った小人達はどれも自分でやればあっという間に終わることを、その何倍もの労力と時間をかけてようやく出来るという、ちっとも役に立たない小人達であった。正直いなくていい。

しかし現在開発されているASIMOなどの人型ロボットも特に役に立ってる訳ではなく、未来のテクノロジーのために作られているのだ。

それを考えれば今回の小人たちも、将来本当に役に立つ小人が生まれるための原初形態と言えるのではないか。

遠い未来、小人が人々の生活になくてはならないものになったとき、オールドカーや骨董品にすごい価値がつくようにこの原始小人たちは再評価されるのかもしれない。

でも燃えるゴミに出してしまいました。

これぐらい小さくなれば医療に使えるかもしれない。

 
 

 

 
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