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はっけんの水曜日
 
日本最長の川、最短の川、水源を巡る旅

二級なのにダムまである

変わらぬ川の景色に折れそうになる心。だがここまで来たからには帰れない。負けずに走るとそこにはダムが。


ダムーン。でかいってのはすごいよ。


デカーい。ダムについて知識はないが、デカいものはテンション が上がる。デカいなぁ、凄いなぁ。二級河川と呼ばれているも ダムまであって、発電とかしてる。予想よりすごいぞ、二級河川!!

 

ヤッホーと返ってくるだけで人は強くなれる


ダムの上流ってよく木が浮いてるよね。


そしてまた現れたつり橋。だがこの時点では僕の心は 躍らなかった。この日で10本以上のつり橋を見て 飽きてしまっていたのだ。だが近づいてみてそれは変わった。

ここはやまびこの名所だったのだ!!
ヤッホーおじさん推薦!ホラ貝持ってる!

なんとここは山彦の名所らしい。山彦がよく返ってくるポイントが 何箇所かあり、そこはヤッホーポイントとして目印があるそうだ。 そして第一ヤッホーポイントは日本一の山彦が返ってくるという!! ヤッホーおじさんのお墨付きのヤッホーポイント、これは行くしかない。

第三ポイントは橋の前
第三ヤッホーポイントでも結構返ってきた。

橋の前にあった第三ポイント、第一ポイントには及ばないものの有力ポイントのようだ。早速ヤホってみる

「ヤッホ」      「…ヤッホ」

おぉ、聞こえる。かすかに遠くで聞こえる僕の声。楽しいヤッホ。第三でこれだ、第一ではどうなってしまうのか。行くしかない。


こんな道を登らなければいけない。


第一への道は予想以上に厳しい。ちょっと行けばあると思って いただけにこの坂道はかなりつらい。しかも地図上のあたりを付けた 所にヤッホーポイントがないのだ。

さらに探すとなるとこの坂を越えていかなければならない。


僕だけでなく周りにいた家族連れも見つからないヤッホーポイントに戸惑っている。さらに探すとなるとまた坂を越えなければならない。子供は行きたがっているのだがお父さんはもういっぱいいっぱいだ。

僕は日本一を体感したい。進む道を選ぶ。すると子供が
「ほらー、あの人行ってるよー。あっちなんだよー。行こうよー」
とせがみ始めた。お父さんは疲労困憊。どうやって止めようか四苦八苦だ。これはいけない。どうにか止めなければ。

僕「もしヤッホーポイントがあったらヤッピーって言うからそしたらおいで」

なぜヤッピー。それはわからないが僕がそうやって子供を諭す。

子供「わかった。ヤッピーって言ってたらそっちに行くね」

いきなり話しかけたことにお父さんはうぇ!?ってなっていたが子供はどうにか聞き分けてくれた。僕にはお父さんの心のヤッホーが聞こえた。


たぶんこれが第一ヤッホーポイント


一人で坂を登り切る。が、見つからないヤッホーポイント。 お父さん、登らなくてよかったね。疲れを感じながら 元の場所に戻る。もう一度あたりを見回してやっと気づいた。

たぶんこれだ。看板が取れてしまって木だけになっている。 おそらくこれが日本一のヤッホーポイント。やっと見つけたぞ! 力をこめて声をだす。

「ヤッホ」

違うのかもしれない。その時あの家族は車で走り去っていた。


しょうがないのでシダ植物の写真を載せておく。あんまり飛ばなさそう。


どうしようもない。第二ヤッホーポイントにてもう一度ヤホる。おぉ、結構返ってくる。これは楽しいなぁと動画を撮ったが全然わからなかったので実際に行ってやってみてください。

 

どんどん狭くなる川幅

ヤッホーポイント探しに時間を使い過ぎた。この時点で4時半。あとどのくらいかかるか分からない。暗くなる前に源泉を探し当てたい。先を急ぐ。


釣り人がいました。心なしか川幅が狭くなっている。


ヤッホーポイントを過ぎたあたりから徐々に川幅が狭まっている のを感じた。来たか、これは来たか!?

すごすぎる龍神村役場。


そして龍神村役場を越えたあたりで一気に変わる。 道も川も一変するのだ。

一気に渓流感が立ち上る
木がガードレール代わり

激しくなる水の音に無くなるガードレール。確実に状況が 変わっている。これは間違いない、源泉が近い。

かなり水量が減った。


徐々に徐々に細くなっていく川がわかる。そして変わる空気。 一気に気温が下がったように感じる。おぉ、近い、これは近いと 言いながら走り続ける。

よくこんな道を作れますね。

そんな状況でも30分は走っただろう。こんなところにも道 を作れる人間凄い。自然も凄いが人間も十分凄い。

そしてここで道と川が分かれる。


ずっと川沿いに走ってきた道路が川と違う方向に走り始めた。 バイクで移動できるのはこれまでのようだ。

凄い光景が広がる。


行くか。


ここが源泉!!としようともしたがもうちょっと言いきれない。 多分体を動かしてないから、やったった感が足りないからだ。 ここに来るまでいろいろあったが最後にガツンと動きたい。 源泉どうこうよりもそういう思いでノソっと動きだしていた。


ジブリっぽい橋発見。

こんな苔むした橋がかかっていた。と、いうことは人が通った ということだ。通りやすいようにしているルートがある。 それを見極めてその人の意図どおりに歩いて行くと歩きやすい。


NHKっぽいよね。

前日の雨のせいか人が通ったであろうルートは結構崩れて しまっていた。登るべき道はこういう道。足場確認は二回必須。 大丈夫だろうと体重を乗せるとずるっと滑る。そういうこと には慣れている。田舎育ちの本領発揮だ。

ガンガンガンガン登りゆく。そして辿り着いたのがここだ!!


ここが日本一長い二級河川の源泉!


必死に登ってここが限界。これ以上は急角度が続いていて登れない。 これ以上は川ではなく滝に分別されるんじゃなかろうか。 と、いうことで日本最長の二級河川、日高川の源泉はここ!!


飲んでみたらすごく冷たくておいしかった。

大人の行動力でもって子供時代の願望をかなえることが 出来た。大人になるとそういうことを考えることがあまり なくなるが、思いついた場合は実際にやってしまう力がある。 つまらない大人が多いと思う子供たちよ、大人になるのも 悪くないぞよ。

大人のみなさん、休日に源泉探しなんていかがですか? 温泉もたくさんありましたし大人のレジャーと呼べると 思います。ぜひどうぞ。

今回もこのポーズでお別れです。


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