飲み会等で「山野〜なんかやれよ〜」と言われることがある。何をしていいかわからずダジャレを言ったりするのだけど、基本的に誰も幸せにならない結果になってしまう。スベるわけだ。
僕にも何か一芸あればいいのだが、と思う。手品とか、モノマネとか。
なんて思っていた時、テレビでどじょうすくいをやっている人を見た。コントの一部分だったのだけれど、どじょうすくいはとてもウケていた。それを見た僕は「これだ!」と思ったわけだ。
ということで、どじょうすくいを習いに行くことにした。
(山野 恵亮)
カルチャーセンターでどじょうすくい
今回どじょうすくいにを習いに行ったのは、東京・立川にあるカルチャーセンター。僕のどじょうすくいの知識といえば、テレビで見た「鼻に割り箸をさす」というものだけで、そもそもどこに行けばどじょうすくいが習えるのか検討もつかなかった。で、調べたらカルチャーセンターで習えることが分かったわけだ。
朝日カルチャーセンター・立川は、生け花やコーラスの講座もあれば、どじょうすくいといった少し変わった講座もある。駅ビルにあるから英会話の駅前留学的な感じでどじょうすくいを習うことができる。
どじょうすくいは笑いを取るための踊り
教室に入って周りを見渡したところ、誰も鼻に割り箸をさしていなかったので、踊りを習う前にどじょうすくいについて聞いてみることにした。
聞くのはここでどじょうすくいを教えている安来節保存会踊り師範の一宇川てい子先生。日本国内はもとより中国でもどじょうすくいを披露するなどこの道15年のすごい方だ。
まずどじょうすくいがどこで踊られているのか聞いた。
先生「島根県安来市ですね。踊られるようになったのは明治の後期くらいから。毎年8月には島根で全国大会もあります」
この大会は全国各地で行われる予選を突破した人だけが出場できるそうだ。ちなみに、今年東京代表で出場する方も朝日カルチャーセンター・立川でどじょすうくいを習っている方だ。
次に鼻に割り箸をさして踊るのが正しいのか聞いた。聞く前からおそらく違うだろうという空気を感じたのでおそるおそる。
僕「どじょうすくいって鼻に割り箸さしたりしますようね……? あれは…」
先生「保存会は認めていませんね」
僕「ですよね〜」
やっぱり割り箸は使わなかった。 どじょうすくいの正装は「一文銭」「豆しぼり」「かすり着物」「もんぺ」「腰かご」「ザル」なのだそうだ。そして裸足で踊る。
他にもいろいろお聞きしたのだけれど、一番印象に残っているのは「どじょうすくいは笑いを取るための踊り」とおっしゃっていたことだ。先生がどじょすうくいを始めたのも、職場の忘年会で何か面白い事をしたくて、自己流で踊ったのがきっかけだそうだ(すごくウケたそうです)。
今回、僕が習いに来た目的は、飲み会で笑いを取りたいというものだけれど、どじょすくいという踊り自体が笑いを取るためのものと聞いて、俄然どじょうすくいへのモチベーションがあがった。