人に食べさせてみる
友人が遊びに来る予定があったので、食べてもらうことにした。
最初、黙って肉だと騙そうと思っていたのだが、思わず「これ肉じゃないんだよ、すごいっしょ!」と先に自慢してしまっていた。
「見かけは確かにすごいけど」
―まずはこのニセ焼肉そ食べてみて。
「もぐもぐ。…肉じゃないね、こりゃ。五平餅だね」
ー五平餅。うまいこと言うなあ。
「食べられないことはないけど、これをオカズにご飯を食べるのは、難儀かもね。っていうか、麩って何で出来てるの?」
―グルテン。小麦粉の。
「じゃあやっぱり、五平餅と構成要素は同じじゃない」
ー五平餅ってベースはお米じゃなかったっけ?
「うーん、じゃあ、とにかく味噌餅、ベース小麦粉の」
ーじゃあ次に、このトンカツ見てちょうだいよ。どうよ、ヒレみたいじゃない?
「フライだからねえ。衣付ければ、いくらでも誤摩化せるよね」
ー味は?
「もぐもぐ…、あ、これは肉っぽいね。ササミか、安いブタ肉かな、という感じ」
ーだまって出されたら、騙されるかな?
「かもね。でも食べ続けてるうちに『?』って思うかもよ」
ーそれはそうかもねえ。
こんな感じで、『肉っぽい何か』を作る実験は終わった。
肉を買ってきて調理したほうが、簡単だなあ…、というミもフタもないことを考えてしまった。
でも肉よりは健康的だ…、興味ある方は挑戦してみてください、面白いし。 |