ちょっとずつわがままになるふたり
こいつ本気で接待する気あるのか? これではそう思われても仕方ない。短気な人だったら怒って帰ってもおかしくない状況だが、2ゲーム目も付き合ってもらえることになった。寛大な心に感謝したい。
ところが、2ゲーム目に入っても工藤さんの調子が上がってこない。さらに安藤さんまで投球が雑になってきている。というか、なんかもう二人とも飽きてる感じだ。
その内、ボウリングとは全然関係ないことを言いはじめる。
重苦しい惰性のボウリングが続く。本当の接待だったら莫大な損失をもたらしているかもしれない。
意を決して聞いてみた「つまんないですか?」と。
気持ちいいくらい真っ直ぐな(そして正当な)答えである。大人なので冗談めかしてはいたが、多分本音だろう。
後で聞いたところによると、工藤さんは第一投の際、手首をひねったらしく痛みを抱えてプレーしていたという。 さらに安藤さんは、第1ゲームのスコアが振るわない僕のために2ゲーム目は手を抜いてくれたらしい。
接待のつもりが、逆に気を使わせてしまっていたのである。
接待むずかしいです
こんなつたない接待に付き合っていただいた編集部のお二人には心から感謝を述べたい。
そして、接待のつもりが逆に気を使わせてしまって恥ずかしい。正直、接待を甘くみていた。
後日、安藤さんから届いたメールには 「榎並さんの笑顔が目が笑っていなくて、どこまで本気でやったらいいのか判断 しかねました」とあった。
接待に必要なサービス精神が自分には欠けているのかもしれない。