写真の撮り方で、「定点写真」ってのがあるでしょう。
それに対抗して(この言い方こどもっぽくていいな)、定物写真っていうのはどうだろうと思った。同じものが同じ位置に映ってるっていう写真だ。
ことばで説明しても始まらないと思うので、どうぞ、ずずいと本編の写真をご覧ください。
(三土たつお)
最初に定点写真について
まず、定点写真ってこういうのだ。
同じ場所・アングルから、時間だけを変えて撮ることで、景色がかわってみえる。
時間が変わるから、日のあたり方とか人みたいに移り変わるものはかわってみえる。でも、電柱みたいに動かないものは基本的に同じ場所にある。
定点写真の場合は、場所とアングルが固定されているわけだけど、この、何かを固定するっていう方法は面白いなと思った。
定物写真ってなにか
じゃあ、映ってるものを固定するのはどうだろう。場所も時間もばらばら。でも、映っているものとその位置は同じようにするのだ。
たとえば、こんなの。
上の写真は、場所はばらばら。でもあるものが共通して映ってる。さて、そのあるものとは?
などと聞くまでもなく、一目瞭然に赤いポストがまんなかに映っているのが分かると思う。
見せ方を変えてみる
面白いのは、ポストみたいな規格品って、どの街にいっても基本的に同じだってことだ。知らない街なのに、おなじたたずまいでそこにある。
その面白さを強調するために、見せ方をちょっと変えてみた。
次の写真へ
上の写真のすぐ下にある「次の写真へ」というリンクをクリックしてみてください。そのたびに写真がつぎつぎと変わっていくはずです。ぜんぶで10枚、ループします。
街って同じだなと思う
どうでしょう。景色が変わってるのにいつも同じ場所にポストがあるっていうのがまず単純におもしろいと思う。
それと不思議なもので、写真の真ん中しか見えなくなってしまう。視点はずーっとポストに固定されたままだ。
あとはぼくの場合、街っておなじだなだと思ってしまう。違うようなふりをしているけど、ポストが同じっていうだけで、ああみんなここに投函するんだな、同じだなと、ナイーブにそう思う。