舞台関連学生さんインタビュー・「そこのクギ、殴りで殴っといて」
石:舞台用語にはほかにどんなのがあるんですか?
ハルキさん(以下、ハ):たとえば、「殴り」とか。トンカチのことです。「トンカチでそこのクギ打っておいて」というのは、「そこのクギ、殴りで殴っといて」みたいな。
石:ぶっきらぼうな感じが、いかにも業界用語っぽいですね。
ハ:あとおもしろいのは「セッシュウ」ですね。身長を水増しするために台に乗ることです。昔ハリウッドで活躍した日本人俳優で早川雪舟という人がいたんですけど、その人が身長が低くて、現地の女優さんと釣り合わなかったんですよ。それで踏み台に乗って演技をしたのが語源です。まだアメリカでも通じるのではないでしょうか。
石:おお、そんな形で後世に名を残すとは、名誉なのか不名誉なのか。
ハ:あとは「打ち上げ」。
石:終わったあとの飲み会のことではなくて?
ハ:一般にはそう使われてるんですけど、元々は舞台用語で「千秋楽」と同じ意味なんですよ。最終公演のことです。それがどこかで撮り違えがあって、そのあとの飲み会のことだと思われてしまっているのだと思います。
石:なるほど、いろんな業界用語があるんですね。
ハ:現場に出るまでには覚えておかないと、後々恥ずかしい思いをしますね。とはいえ初回の授業でいきなり言うのは悪い冗談だと思いますけど。
石:恥は冗談で済むうちにかいておけ、ということですね。どうもありがとうございました。 |