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東急メディアコミュニケーションズ


不安な土曜日
 
新宿のランドマークが消える瞬間

最後の点灯の瞬間も撮影しよう

最後の消灯の瞬間をカメラにおさめる前に、最後の点灯の瞬間も撮影しておくべきだと考えた。しかし、何時にネオンが点くのか分からない。ビルに問い合わせたところ、周りの明るさを感知して暗くなったら自動で点く、という仕組みなのだとか。時間は決まっていないのだ。

「暗くなったら」という時間指定があまりにもアバウトで不安だったので、17時前に新宿にやって来た。暗くなる前に撮影場所を探してスタンバイしなくてはいけない。


撮影場所を

色々な角度から選び

ドン・キの前の臨時派出所の前から

撮影する事に決めた

EPSONのネオン灯を中心に右側に歌舞伎町のネオン、という構図を狙ってドン・キの前に三脚を立てた。

ここでビデオカメラを回し、ネオン点灯の瞬間を待つ。


ドン・キの前で

点灯を待つ

しかし、金曜日の夕方、歌舞伎町の入口である。
とにかく人が多いのだ。さらに雨が振っているのでみんな傘をさしていて、邪魔である。


傘が邪魔で

ネオン灯が隠れてしまう

いつ点灯するか分からないので、カメラの前に人が立つとハラハラしてしまう。この人が傘で隠している間に点灯、なんて事態も充分に考えられる。かといって、「そこをどいて下さい」と声をかける勇気もなく、ハラハラが段々イライラに変わっていく。


イライラしながらカメラを回す

イライラしながらカメラを回すこと約1時間、ネオンは中々点灯してくれない。周囲の街灯に灯が灯り、ほとんどの車がヘッドライトを点灯し始めている。そろそろ点いてもいい頃だ。早く点いてくれ! 祈るような気持ちでモニター越しに「EPSON」の文字を見つめる。今、新宿で一番「EPSON」のことを考えているのは僕だろう。

18時を過ぎて人通りが更に激しくなり、相変わらず傘が邪魔だ。

僕のイライラがピークに達しかけた頃、ついにネオンが点灯した。



2009年6月5日18時13分。EPSONのネオン灯、最後の点灯の瞬間である。点灯してからしばらくの間、ネオンの動きを見つめていた。そして気付いた。白い光が横に移動する動きは、プリンターの動作をイメージしているに違いない。

ああ、何だか急に淋しい気分になって来た。





 

 
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