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ロマンの木曜日
 
終末の旅〜ノストラダムス予言から10年を偲ぶ〜

今またキてるそうです、終末。

いま30代以上の人にとって、子供の頃「1999年7月」って無視したくても無視できない、すごく大事な日だったのではないだろうか。ノストラダムスの予言で「恐怖の大王がやって来て人類は終末を迎える」と言われてた日だ。気づけばあれから来月で10年。どっこい人類は生きている。

いったい彼が語った終末とは何だったのだろう‥ある知人から「けっこう日本にも終末あるっすよ」という話を聞き、千葉県の終末を見に行ってきた。先に言っておきますが、行ったのは「週末」ではなく平日です‥そのダジャレがオチではない、と強く申し上げておきます。

大坪ケムタ



勝手に四行詩を当てはめる旅

16世紀のフランスの医師であるノストラダムス。ペストの積極的な治療、さらに予言の功績もあって、国王付のえらいお医者さんだったそうです。


本名は「ノートルダム」だそうです。

占星術師でもある彼が未来を見通して書いたという予言集がかの「ミシェル・ノストラダムスの大予言集」。有名な一説といえば10巻72節のこれでしょう。

日時指定って怖いですよねー。宅配は便利だけど。

ちなみに料理研究の本も出していて、彼が『大予言集』と同じ年に出した書籍のタイトルは『化粧品とジャム論』。本屋の新刊コーナーに「あのノストラダムス、2冊同時刊行!」ってPOPと一緒に並べてあったら怪しいだろうなあ。いっそまとめて「化粧品とジャムと大予言」だったら「部屋とYシャツと私」みたいでまた別の層を捉えそうですが

彼がつづった「大予言集」は、占星術師でもあった彼が見通した終末の姿を四行詩につづったもの。ならば、終末に向かう過程で詩に書かれた光景が見れるかもしれない‥。地獄を見たダンテがその光景を「神曲」で描いたように。

ということで、比較的近所に終末スポットがあるという噂を聞いて千葉県市川市の元八幡に来てみました。


もとやわた。ひらがなだと老舗の布団屋みたいだ。
地下鉄だと終末ではなく終点。

終点の地‥それも何か我々に示唆しているよう。さらに駅から目的地に向かう途中に、さまざまな「終末への序曲」を思わせる光景が広がっていました。ビギニング・オブ・ジ・エンド!

物価の下落!
流行り病い!

跋扈するケモノたち!
笑う異国人!

ノストラダムスも終末への道中でこれらを見て四行詩を書いたのかもしれない‥。ハッ、例えばこんな詩もここから?たとえば8巻28節と5巻4節なんか‥。

盗まれて投げ込まれた異国の人‥わ、リアル!

マスチフ犬じゃないけどな。

こうやって写真モノクロにして四行詩を入れていけば、いかにも神妙な感じに見える。こういう風に意外とパッと目に付いたビジュアルから詩がうかんでいったのかもしれない、ノストラダムスも。

予言の意味はわからないけど。終末への風景、それっぽい四行詩をどんどん挟んでいってみよう。それがノストラダムスが終末までに見た感じた光景!のはず!強引!

と、考えつつテクテクと歩くと塀にこんな中途半端な幕が。


交通運動の幕っぽいけど、なんか切れてる。

おそらく本来は車に飛び込んでる絵で「あぶない!」とか書かれてそうな幕。快活な子供の絵だけに、キュウキュウに閉じこめられてるようにも見える。こんな塀には7巻41節の詩がふさわしい。
最後は住宅会社のCMみたいな一文に。

あいかわらず何の予言かは皆目見当つきませんが、どこかストーリーが生まれたような気が。

さらに進むとちょいと工場地帯風。その合間に生コン工場を発見。


こういう工場て青空が似合う、妙に。

山盛りの砂と泥、この光景を見てノストラダムスなら1巻21節のような詩をつぶやくに違いない。ああ違いない(思い聞かせ)。

この四行詩、予言ぽくはないけど生コンぽい気はする。

生コンぽい詩、てのも珍妙ですが。「粘土の奥にさらに粘土」って言われてもねえ。まぁそれでもいろいろ解釈はあるんだそうです。

さてそんなこと言ってる間に市川市の終末が遠くに見えてきた。正確には「市川市の終末」ではなく「市川市にある終末」ね。関係ないけど「市川市」って漢字は顔っぽい。


ついでに元八幡コネタ。交番表記が「POLICE」だったり
「KOBAN」だったりします。

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