決して母のカレーが最強だとは思わない。世の中にはおいしいカレーが溢れていて、ココ壱のフライドチキンカレーとかサムラ〜トのインドカレーとか、どう考えたって母のカレーよりもおいしい。「ああ、ココ壱食べて〜」と思う事はあっても、「ああ、母ちゃんのカレー食べて〜」となる事はほとんどない。その証拠に、家を出てから15年、母のカレーを食べた記憶がない。実家に遊びに行くといつも「けんちん汁」が出るのだ。あのけんちん汁は確かにうまい。他所に出しても恥ずかしくない一品だと思う。母も自信があるらしく、けんちん汁ばっかり作っている。そして、カレーは作らない。母的にも「カレーはちょっと…」と思っているのかもしれない。
そんな事を考えていたら、久しぶりに「母のカレー」を食べてみたくなった。子供の頃は楽しみだった「母のカレー」を。その味に期待するというよりも、ノスタルジックな気分を味わうために、である。
さらに、「母のカレー」をレトルトカレー風にパッケージ化する事を思いついた。個人的な郷愁をパッケージにしてしまうのだ。 |