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フェティッシュの火曜日
 
富山湾でホタルイカを捕ってきた


こいつを捕まえにいってきました。

春の富山湾では、深海から浅場に上がってきたホタルイカの漁が盛んで、漁師さん達が定置網で捕っている様子をニュースなどで見たりする。

幻想的に青白く発光するホタルイカ。できることなら私も捕まえてみたいなあなんて思ってちょっと調べてみたら、条件さえそろえば、砂浜からでも普通の網でけっこうすくえるらしい。すごいぞ富山。

ということで、富山までホタルイカを捕りに行ってきました。

玉置 豊



まずは上州屋にいって情報収集

土地勘がまったくない場所でホタルイカを捕まえるのに一番重要なのは、やはり場所や時間、捕り方などの情報収集である。一口に富山湾といっても結構な広さなので、ヘタをしたら場所探しだけで夜が明けてしまいそうだ。

そこで現地のリアルタイムな情報を仕入れるべく、富山インターを降りて直行したのが、宮尾すすむのCMでおなじみの(30代以上限定かも)上州屋富山千代田店という釣り具屋さん。

今回は釣りをしにきた訳ではないのだが、事前にネットで情報を集めていた時にこの店のサイトを見たところ、釣りよりもホタルイカ捕りが主役といってもいいような状態だったのだ。ここならきっと有力な情報が得られるはず。


富山まできて、最初に入る店が上州屋。釣り具屋って何時間いても楽しいよね。

さっそく新しい街へ来たドラクエの主人公にでもなった気分で入店。

なるほどこの店は確かにイチオシ商品がホタルイカ捕り関連グッズのようで、お店の一番いい場所に、網やらウェーダー(腰まであるゴム長)やらの必須アイテムが並べられている。

ホタルイカ、やっぱり本当に捕れるんだ。


店の窓にバーンと張られた衝撃的なコピー。「生け捕りグッズ」っていう言い方が力強くていいよね。 「今週の釣情報」といっておきながら、一番上に書かれているのはホタルイカ情報。釣りじゃないぞ。しかしホタルイカ以外の情報も魅力的だな。

私にとってはウナギ釣り用のヘッドライトも、富山ではホタルイカ捕り用として売っている。広告の品。 小型のクーラーボックスだってホタルイカ捕り用だ。

この時期、東京、千葉、神奈川あたりだと釣り具屋で潮干狩りグッズをよく売っているが、ここ富山ではホタルイカ捕りグッズ。道具自体はどれも関東の釣り具屋でも売っているものだけど、目的がホタルイカ捕り用というのが、たまらなくいい。

こういうその地方独特の海遊びっていうのは、現地で道具を見ただけで、もうドキドキしてくる。以前四国の四万十川にいったときに、「エビ鉄砲」というテナガエビをとるオモチャの銃みたいのを見つけた時以来のワクワク感だ。

 

ホタルイカが捕れそうなポイントを聞いてみる

この店では単に道具を売っているだけではなく、ホタルイカが捕れる場所の地図なども張り出している。店員さんが数日前に捕ったというホタルイカの写真は圧巻で、あきらかに素人が捕る量ではない。

こういうのを見ると、もう自分も捕れた気になってしまい、食べきれないほど捕れたホタルイカを誰に送ってあげようかとかつい考えだしてしまう。で、あとで大抵痛い目を見る訳なのだが。


お店の一番いいがホタルイカ採集コーナー。店長のやる気が伝わったてる。 こんな写真を見せられたら、もうたまりません。

本日我々が挑むべきポイントを決めるため、ホタルイカに詳しそうな店員さんに最近の状況を聞いてみたところ、四月上旬から中旬くらいはバケツ一杯分捕れた日もあったのだが、ここ数日は海が荒れてしまった影響で芳しくないということだった。


取材日は4/28だったのだが、ちょっと遅かったらしい。ちなみに「釣りはしないけれどホタルイカ捕りだけはやる!」というお客さんが結構いるそうで、それだけ魅力的ということなのだろう。

そんな状況ではあるが、粘っていれば多少は捕れるであろうという場所を教えてもらった。ただ「ホタルイカ捕りは自然相手のものなので、絶対というのはないですよ」と強く念を押されたところに猛烈な不安を覚える。

数分前の興奮状態からずいぶんとトーンダウンしてしまうが、今日のところは一匹でも自力でホタルイカを捕まえられれば良しとするしかないようだ。

とかいっておきながら、まさかの大漁を妄想している自分もいるのだが。自分の気持ちに保険をかけつつ夢を追う。

なんにせよ、今日は楽しい夜になりそうである。


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