服を着るという行為は、人類が社会生活を送る上で欠かせない習慣であり、人前で裸になると社会的な制裁を受けてしまうリスクがあるので気をつけたい。
とはいえ、毎日外出の度にコーディネートを考えるのはとても面倒だ。お金がなくて新しい服を買えないときなど、着まわしのパターンもマンネリ化してくるので一層悩ましい。
そこで考えたのが「布をまとう」という選択肢だ。TシャツやYシャツなどと並んで一枚の布を着まわしのラインナップに加えてみたい。
(榎並 紀行)
とくに忙しい朝は悠長に服を選んでいる暇がない。そんなとき、そこらへんに転がっている一枚の布をひっつかんで、くるくると体に巻きつけるだけで外出したい。原始の時代を思わせる最もシンプルな着衣だ。エコである。
それに何より布はとても経済的なのだ。これを着まわしに取り入れない手はない。
この布を駆使して新しいコーディネートを考えるべく、行楽で賑わう週末の代々木公園にやってきた。
社会生活を営む上では、隠すべき体の一部がきちんと隠れていれば、着衣としての機能は果たしているが、加えてそこにかっこよさやお洒落を求めていきたい。イメージの到達点はオダギリジョーである。オダギリジョーが舞台挨拶で見せるような冒険的なファッションを布で表現したい。
ということで今回は全力でかっこつける企画なので、笑いに走るつもりは一切ないことをあらかじめ宣言しておく。
【着心地】★★★★☆ 【動きやすさ】★★★☆☆ 【オダギリジョー】★☆☆☆☆
完全に煮詰まっていたころ、目の前にインドっぽい外国人の方が通りかかった。インドにサリーという民族衣装があるが、あれも一枚の長い布を体に巻きつけるスタイルだ。彼ならかっこいい布の巻き方を知っているんじゃないか?