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ひらめきの月曜日
 
112kmのマラソンはとても楽しい
富士山を一日中見て走ります。楽しい!


10年ほど前からウルトラマラソンに出場しています。えっ?何それ?聞いたことが無い?そうですよね。あまりメジャーなものではないですから。

簡単に言いますと100km、200kmなどの距離を走るマラソンです。半日や1日。場合によっては数日走り続けます。変?いや、凄い楽しいのです。大人の大遠足。一度やったらやみつきになります。

先日富士五湖周辺で開催されたウルトラマラソンの大会に出場してきたので、今回はその様子とウルトラマラソンの楽しさについてお伝えします。

吉成



意外と沢山開催されています

100km走るなんてテレビぐらいでしか聞くことが無いと思いますが、実はこのようなマラソン大会は日本国内で頻繁に開催されています。ここ10年ぐらいで私が走った大会だと、野辺山100kmマラソン、四万十川100kmマラソン、奈良かぎろひ132Kmマラニック、甲州夢街道・シルクロード215kmラン・ウォーク遠足、萩往還マラニック大会250kmなどなど。

なにしろ距離が長いから、走り終わって足の爪が数枚剥がれたり、走りながら寝てしまって危ない目にあったり、山に迷い込んで雨降る中を一晩山中で過ごしたりと色々あります。

えっ?確実に痛いか辛そうだ?いや、いや。そんなことはありません。まあ、マラソンのMはマゾのMなんてこと言われることもありますが、そういう楽しさではないのです。何が楽しいかと言えば非常に説明しづらい。けど、沢山楽しい点があるので以下に挙げていきます。

 

その1 旅みたいで楽しい

例えば100kmといいますと、鉄道の場合で東京を出て熱海あたり。ちょっとした旅です。そして、ウルトラマラソンの大会は大体が景色の良い山間部や海の近く、島などで開催されています。当日受付もやってはいますが、早朝スタートの場合が多いので前日会場入りしてゼッケンの引き換えなどの手続きを済ますのが通常。旅気分で会場入り。そして旅のような距離を走る。大人の大遠足は前日の会場までの移動も楽しいのです。


前日のゼッケン引き換え所は既にお祭り気分で楽しい。
参加者リストの所属ランニングチーム記入欄はDPZ。デイリーにランニングチームはまだ無いけど。

富士五湖周辺はまだ桜が咲いていて花見気分で走れて楽しい。
富士山をバックに走れる。絶景かな!絶景かな!

ちなみに、今回出場した「19th チャレンジ富士五湖」の走行距離は112km。山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖の5つの湖を1周づつ走っていくことになります。制限時間は14時間30分。スタートは朝4時30分で19時までにゴールしなければなりません。


ウルトラマラソンは朝が早い。けど、夕方6時にスタートなんて大会もあります。
スタート直後は真っ暗。帽子の蛍光部分がフラッシュで怪しく光る。

スタートラインは明るく照らされていてお祭り気分。
ゴールする頃はすっかり日が落ちています。

スタート時点の気温は10度以下でした。左上の写真に写る私はランパン、ランシャツですが周りの人は上下長袖のウエア。暑がりな私にはこれでちょうどいい。ただ、周りとあまりにも雰囲気が異なり、真冬でもランニングシャツでいた、やたらに健康な小学生の子供みたいでちょっと恥ずかしい。


富士山をバックに1枚。河口湖大橋上で。まだ40kmぐらいしか走ってないので結構元気。
湖の先に富士山が見える。本栖湖あたりだったか?

樹海の中を抜ける道も走ります。
河口湖からゴールへ向かう坂の途中。傾いた日に富士山が照らされて綺麗。

こんな感じで綺麗な景色を眺めながら走れるのがウルトラマラソンの楽しいところ。ただ、旅気分ではありますが、「ぶらり途中下車」とか「ちい散歩」的な緩やかな感じは一切無いです。

 

 

その2 エイドは食べ物、イベントがいっぱいで楽しい

今回出場した大会はエイドがかなり充実しています。ウルトラマラソンでは補給用の食料や着替えなどの装備を全部自分で背負って走る大会が結構あります。ピクニック気分でそれはそれで楽しいのですが、エイドが充実している大会では色々食べられたり、地域の人との交流があって楽しいのです。


こちらはパンやバナナなど割と普通のエイド
塩分補給の為の塩や梅干。鉄分補給のレーズン。糖分補給にチョコも有り。

なぜか謎の応援コメントが書かれたバナナもありました。
こちらはオニギリ。朝早くから握ってくれたそうです。ありがとうございます。

こういったパンやバナナなどの通常のマラソンでもみかけるエイドのほかにウルトラマラソンだとかなりしっかりした食事がとれるエイドがあります。シンプルな物が多いですが、走っている時にはこれがとても美味しい。


こちらはウドンの食べられるエイド。大人気。
素ウドン。ネギと七味はお好みで入れます。

今まで出た大会で見かけたものでは、カレーライス、ラーメン、オデン、雑炊などがありました。長いと2、3日走り続けるので当然食事をとることになるのです。しかも、後半になってくるとなぜか味の濃い物を食べたくなる。食べながら走るのでウルトラマラソンでは胃腸の強いことが重要です。牛乳飲んでおなかが直ぐにグルグル来るような人には向いていません。

それから、ウルトラマラソンの大会では私設エイドをよく見かけます。


エイドはまだか?と走っているときに有るととても嬉しい。特に夜間走行時に有ったりすると地獄に仏の気分。

選手の身内の方が出している場合が多いのですが、私設エイドを出すためだけに来る方もいます。また、コース近くに住む地元の方が手作りの食べ物を出しているようなことも。大変ありがたいので、出来るだけ立ち寄ってお礼を言って行く様にしています。

あと、少し大きなエイドでは様々なイベントが行われている事があります。例えばこれ。


選手が通る際にはずっと演奏していました。ありがとうございます。

地元の子供たちによる太鼓の演奏。地域をあげてのイベントなので子供たちもはりきっています。普通のマラソンでも時々見かけるようなイベントです。しかし、こんな変わったイベントもあります。


優秀作品は商品が出ます。

マラソン川柳イベント。3箇所ぐらいのエイドで募集していました。優秀作品には協賛会社から商品も出るとか。私も一応幾つか投稿しておきました。

「まだいける もうやめようかな いやまだだ」
「ゴール後の ビール考え また走る」

雑念の塊が走っています。


この看板が出てくると嬉しい。たまに微妙に距離が間違っていて心が折れそうになることもあり。
足を冷やすプールもエイドにあります。頭から水をかぶっている人もいます。

オヤツも充実。カステラは100gあたりのエネルギー量がバナナの3.5倍。オニギリの1.5倍。補給食に最適。
マッサージのサービスもあります。

これ以外にもエイドでは地元の人との交流など楽しいことがいっぱいあります。今回は順位が出る競技性のある大会なので、トップを走る人はほとんど立ち寄ることなく過ぎ去っていきます。しかし、ウルトラマラソンではすべてのエイドにゆっくり立ち寄るのが楽しい走り方。ただ、あまりに腰を落ち着けすぎて制限時間に遅れてしまわないように注意が必要です。エイドのスタッフの方へのお礼は忘れずに。


こういう出会いもあります。エイドにいた犬。かわいい。

 仮装や特殊装備、不思議な応援などまだ楽しい点は続きます。 >
 

 
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