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ひらめきの月曜日
 
僕のご飯を大盛りにしてください


大盛りだ、やっほい

足が速かったり、絵が達者だったり、難解な計算式をすらすら解き明かしたり。そういった華々しい才能にはもちろん憧れるのだが、一方で地味ながらも、ぼくが強烈に憧れてしまう才能がある。

それは「めしを大盛りにされる才能」だ。

定食屋などであえて大盛りを注文しなくても「なぜかご飯を多く盛られる人」というのがいる。ご飯をよそう側からしてみれば「つい多めによそってあげたくなる人」ということになるが、そんな人は何の努力もなくめしがたらふく食えるのだ。それはもう才能といっていいんじゃないか。

残念ながら自分はその分野に関して凡才だ。しかし、知恵を絞れば才能を凌駕できるんじゃないだろうか。

榎並 紀行



才能(編集部・安藤さん)V.S工夫(榎並)

べつに太っているとか、そういうことではない。「この人にもりもり食べさせたい!」そう思わせる天運をもった人というか。そんな人、あなたのまわりにもいませんか?

たとえば編集部の安藤さんなどは、そんな天性をもったひとりだと思う。

実際、聞けば「ぼくは確かに大盛りにされがちですよねー」とのこと。その才能がうらやましい。「大盛りで」とわざわざ言わなくとも、店の人が勝手に気を使って大盛りにしてくれるのだ。


大盛りにされがちな33歳、安藤昌教さん

この才能に勝負を挑んでみたい。安藤さんと定食屋をめぐり、めしの盛りを競うのだ。

ただし、普通に挑んでも勝てっこないので、こちらはちょっとした工夫を凝らしていこうと思います。

 

まずは安藤さんの実力を拝見

最初に訪れたのは、都内某大学の学食。大盛りといえば学食だ。ここで昼食をとることにしたのだが、まずは安藤さんのお手並みを拝見することにした。まったく同じ条件で定食を注文し、盛りを比べてみるのだ。

安藤さんの実力をより際立たせるため、ぼくは体調不良で食欲がないフリをすることにした。

いま「まったく同じ条件で」と書いたばかりだが、企画の根幹に関わる部分なので、ここは安藤さんに勝ってもらわないと困るのだ。


40度の熱があります(ないけど)
いやあ、ぜんぜん食欲なくてね(あるけど)

安藤さんが元気よく冷しゃぶ定食を注文したのに続いて、ぼくも蚊の鳴くような声で同じ定食を注文。大丈夫か?おかゆとか頼まなくて。というくらい、か細い声である。食べさせ甲斐のない客だ。

ご飯を盛るおばちゃんのテンションも下がったことだろう。


・・・ゴホッ…冷しゃぶ定食を・・・
ご飯をよそうおばちゃんの前で食欲減退をアピール

あれ、計るんですか?

 

ご飯の量はマニュアル化されている

これは誤算。なんとおばちゃん、ご飯の重さを量っている。ここの学食は定食のご飯の量がマニュアルできっちり決められているようだ。

ちょっと待ってー、おばちゃん!ぼく体調悪いんだから、そんなにご飯食えないよーとばかりに大げさに咳をしてみたが、おばちゃんはぼくの意図を汲んでくれただろうか?


左が榎並の盛り、右が安藤プロの盛り、見た目に差はない

一見するところ盛られたご飯に大きな差は見られないが、おばちゃんは盛りに手心を加えているのだろうか? ちゃんと量ってみよう。

安藤プロの盛り、412g(茶碗込み)
榎並の盛り、390g(茶碗込み) 安藤プロの勝利!

おお、やはり安藤さんの方が22g多い。たった22gだが、マニュアルでご飯の重量が決められていて、計量までしているのに誤差が生じるというのは、やはりおばちゃんが人によって手心を加えているのだ。

結論。やはり安藤さんはひいきされている。ずるい。


食堂のおばちゃんは人により盛りを変えている。仮説が立証された

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