2万人規模の入学式

翌日、別の大学の入学式が行われるという日本武道館にやって来ました。この時期の武道館は連日いろいろな学校の入学式が行われているそうです。知らなかった。

式に参列する新入生は、きっとみなスーツ姿でしょう。ということは、僕もスーツでそこに紛れれば新入生に見えるはず！

いろいろ調べたところ、サークルの勧誘がいちばん多いのは入学式の日だそうで、会場から出てきたところでビラ配りが行われることが多いようです。「鞄の中にもビラを大量に突っ込まれた」なんて表現もあって、期待に胸が膨らみます。

などと思っていたら、いきなり何か手渡されました！

待ってましたとばかりに受け取ってみると、それは広告のティッシュ。でも「ご入学おめでとうございます」なんて書かれていると、本当に入学するような気分になって、テンションも上がってきました。

そのまま、新入生の波に乗りながら入学式の入口にやってきたのですが、この大学は2万人近い新入生がいて、入学式自体が午前、午後と2回も行われるほどの規模。父兄ですら1名しか入れないとのことで、どうやら式典に潜り込むのは無理そう。

しかし新入生だけで2万人って、それはもはや学校というより自治体とかなのでは。

それだけの規模なので、どうやら入口と出口で別方向に誘導されているようです。しまった、勧誘するなら出口じゃん！というわけで、急いで出口に向かって、午前の式を終えた新入生たちの列に紛れ込むことにしました。

新入生に紛れ込めるか

入口と正反対の場所にある出口にやってくると、ちょうど午前の式を終えた新入生たちが出てきたところでした。

初々しい表情の学生が多いなか、目の前にホストみたいな人がいますが彼らも同級生でしょうか。のっけからキャンパスライフが心配になります。

スーツで変装して新入生になりきったつもりですが、なにか足りない気がします。よく見ると、彼らはみな大きな封筒を持っていました。おそらく会場で配られたのでしょう。あの封筒があればもっとリアリティが増すはず。あの封筒が欲しい、と思っていたら。

なんと、会場の外で封筒を配っていました！やった、これで新入生度アップ！

と思ったら、配っていたのは大学生協の案内パンフでした。ま、これを後ろ向きに持てばバレることはないでしょう。

これで身も心もすっかり新入生。この姿を大学に行かせたがってた親に見せたい。たぶん情けなくて泣くだろうけど。

昨日とは打って変わって、今日は楽しいです。ではここから新入生と一緒に歩いて、勧誘のビラをもらいまくりたいと思います。

…いかん、写真を見直していたら泣きそうになってきました。

わざとビラ配りの人の近くを選んで通ったのに、ビラ配りの人のいる方の手を空けておいたのに、ずっと顔を見てビラくれアピールをしたのに、ぜんぜんビラをもらえませんでした。

撮影で同行をお願いした編集部の安藤さんが「萩原さんすごいですよ、全員からガン無視されてました」と感心した声でコメント。しかも安藤さんはいつの間にかダイビングサークルのビラをもらっていた！

いやいいんです別に僕サークルとか興味ないし。なんて企画の根底を覆す言い訳を思いつくほど打ちのめされました。もう大学なんてぜったい行ってやるもんか。

最後の最後で、何枚かビラをもらえました。読んでみると、バイト募集とピースボートの案内でした。

ありがとう、ビラ大事にします。