家庭用インクジェットプリンタがこんなにも普及した現代、うまく使えば「あぶり出し」もプリンタで印刷できるのではないだろうか? 試してみたところ、使用済みインクカートリッジとみかんの汁を利用して意外と手軽に印刷できることが分かった。
(加藤まさゆき)
インクカートリッジを分解
まずは使用済みのインクカートリッジを用意。最近のCanonのものは、容器が透明で使いやすいのでお勧めだ。 カッターナイフで丁寧に刃を入れ、上ぶたを外し、中身の綿を取り除く。取り除いた綿の代わりには、ティッシュを丸めて詰めておく。
続いて、みかん汁をカートリッジに詰めます
次にみかんを用意。 レモンといよかんでも実験をしたのだが、やはりみかんが圧倒的に良くあぶりだされた。季節的に手に入りにくいが、ここはみかんが望ましい。で、そのみかんを切り、果汁を絞る。ここでポイントなのだが、絞った後、果汁に8に対して2ぐらいの割合でガムシロップを混ぜるとよい。粘度が増して、よりインクっぽくなり、印刷の精度が大幅に向上する。
イエローのインクと間違いそうになるけど、黒にセット。
セッティングしてモノクロ印刷!
あとはプリンタにセッティング。続いて写真を用意します。 ここでは、まさゆき宅で飼っている黒猫「ロビン」の写真を使いました。色調整でモノクロにし、黒インク(に入っているみかん汁)だけで印刷されるようにします。
写真をモノクロにして、黒(みかん汁)のみで印刷する。
プリント終了。ただの白紙に見えるが……
燃えないように、ゆっくりとあぶり出して下さい。
さあ、あぶり出そう!
印刷された黒猫の写真。 一見何も印刷されていないように見えるけど、これをガスコンロであぶりだすと……
結論
子供の頃、大好きだったあぶり出しが、ここまでの完成度で遊べるようになったとは思ってもいなかったので、正直この結果には大興奮だった。むしろこれをうまく応用すれば、社内の機密文書などもあぶり出しで印刷でき、秘密保持などにも役立つのではないだろうか。研究の発展として、液晶パネルにみかん汁を注入して、あぶり出しモニターを製作することに今後挑戦していきたい。